41:名無しNIPPER[saga]
2018/12/28(金) 22:00:23.77 ID:JbQZeQhn0
「長いこと、この仕事してると、色々と達観しちまうんだよ」
ジイサンの笑顔は、嬉しそうでもあるようで、どこか寂しそうでもあった。
それは、僕が勝手にそう思っただけかも知れなかった。
「色々な時代があり、様々な人の願いがあった。
絶対的な正しさがあれば、世の中は今頃もっと平和だろうが、あるはずがねぇ。
だから自分で見出すしかねぇんだ。正しさを。自分を取り巻くものの中に。
その繰り返しだ。いつの時代も」
「だとしたら、俺が正しさを見出すべきは、この仕事じゃない……もう辞めようと思う」
「それがいい」
実際、どうやったら辞められるのか、具体的な手続きは分からない。
だけど、いい加減に限界だった。
「ジイサンはきっと、欲とかプライドが無さすぎたんだよ」
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