40:名無しNIPPER[saga]
2018/12/28(金) 21:57:01.83 ID:JbQZeQhn0
「じゃあ何だよ」
さっさとアイツのつまみを回しに行けばいいのに。
いい加減、寒さで体が冷えてきて、ついイライラしてしまう。
「この世には、大きく三つの人間がいる。
時代に取り残される者。時代に流される者。それと、時代を作る者」
ジイサンは空を見上げ、深呼吸をするようにタバコの煙を少し大きく吐き出した。
「俺は言うまでもなく、取り残される者。
そして、アイツはたぶん、流される者だろう。少なくとも、今のところは……だが」
「だが?」
「どうでもいいんだ。
正しい時代が無いように、正しい生き方なんてどこにも無い。
だから、俺はアイツに説教をしなかったし、自分が悪いとも思っちゃいないよ」
――やはり僕は、釈然としていない。
「正しさや貴賤は無いとしても、そうありたいと願う生き方はあって当然だ。
ジイサンには、何かをしたいという欲は無いのかよ」
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