年越し代行
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45:名無しNIPPER[saga]
2018/12/28(金) 22:13:35.76 ID:JbQZeQhn0
「――僕の方こそ」

 この手を握ったら、ジイサンともお別れだ。
 記憶を引き継げない事の寂しさが、今年は一層重く、強く押し寄せる。

 だが、当然に――僕はこれに、応えないわけにはいかない。


「俺が放っちまったこの世の未練があったら、代わりにお前が拾ってくれや」

「明日になったら、どうせ忘れてる」
「それでもいいさ。お疲れさん」


「――あぁ」

 僕は右手を差し出し、ジイサンと握手を交わした。

 その瞬間、彼はいつの間にか手袋をはめた左手を、僕の頭に突っ込んだ。



 カチリ、と――脳みその中で音が聞こえた。

「良いお年を」



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