167:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 15:50:32.36 ID:8fWIK/550
私達の間に、久しぶりの静寂が訪れた。
そしてぽつりと、彼女が呟いた。
168:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 15:51:24.39 ID:8fWIK/550
「でも、私には才能も力もなかった」
「小学校卒業する頃には、半ば諦めてたんだよね」
169:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 15:51:56.25 ID:8fWIK/550
「私達の順番は後半だったから、前半は他の学校の歌を聴いてたんだけど」
「ある学校にね、とぉーっても歌が上手い女の子がいたの」
170:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 15:52:38.90 ID:8fWIK/550
「その子の歌がね、とっても悲しそうだったの」
「寂しいのを、泣くのを必死に堪えながら歌ってるみたいで」
171:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 15:53:48.06 ID:8fWIK/550
「だからね、千早ちゃん。もう一回、私からのお願い」
「前に進むことを、やめないで」
172:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 15:56:29.46 ID:8fWIK/550
「そろそろ私、限界なんだ」
173:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 15:59:28.99 ID:8fWIK/550
「千早ちゃんの歌声なら、たくさんの人に幸せな気持ちを届けられるから」
「それに、千早ちゃん自身にも、歌いながら楽しい気持ちになってもらいたいし」
174:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 16:00:12.97 ID:8fWIK/550
「だって……友達が寂しそうに歌ってるのなんて、見たくないよ」
「とも、だち……?」
175:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 16:01:13.40 ID:8fWIK/550
私にとって、彼女は――。
176:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 16:01:59.76 ID:8fWIK/550
「千早ちゃん。さっき頼んだこと……できれば、お願いね」
177:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 16:02:34.50 ID:8fWIK/550
「ばいばい、千早ちゃん」
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