170:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 15:52:38.90 ID:8fWIK/550
「その子の歌がね、とっても悲しそうだったの」
「寂しいのを、泣くのを必死に堪えながら歌ってるみたいで」
「もらい泣き……しちゃった」
ドアの向こうから、鼻をすする音がした。
少しして、また無理をして明るく振る舞う声が聞こえた。
「その時、思ったんだ」
「ああ、歌ってすごい!って」
「私もこんな風に、人の心を動かすような歌をたくさんの人に届けたい!って」
明るく振る舞いつつも、声は徐々に力を失っていく。
「やっぱり私、アイドルになりたい、って」
ドア越しからでも、涙まみれの笑顔が見えた気がした。
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