輿水幸子「ボクのなつやすみ」
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2:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:27:43.70 ID:4sMggCAno
そして現在、輿水幸子十四歳の夏、彼女は両親と共に田舎の祖父母の家へ遊びに来ていた。
父親が珍しく長い休暇をもらったので、お盆休みと合わせて十日間ほど滞在する予定になっていた。

ところが幸子は二日目にして早くも暇を持て余してしまったので、何か楽しいこと面白いことはないかと思案を巡らしていたところ、ふいに例の部屋のことを思い出し、そして連鎖するように蘇ってきた昔の記憶を今こそ確かめるべく立ち上がったのだった。

以下略 AAS



3:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:28:42.04 ID:4sMggCAno
さて、例の小部屋は幸子の記憶通り、廊下をつきあたった奥にひっそりとあった。

この家では珍しくドアノブ付きの開き戸である。
何も知らなければ物置部屋か便所と思ってしまうかもしれない。
よく見てみると、扉のあちこちにシールを剥がしたような跡があった。
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:29:30.23 ID:4sMggCAno
幸子は遠慮がちに、びくびくしながら部屋へ足を踏み入れた。

机と椅子、それと一つの本棚が置いてある他には何もない、殺風景きわまりない空間である。

窓は一つしかなく、それがすりガラスになっているために部屋の中はにぶい光が散乱していた。
以下略 AAS



5:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:31:04.50 ID:4sMggCAno
さて、幸子が改めてこの貧相な部屋を調べてみようと振り返ると、ふと本棚の一冊の本が目に入った。

幸子はそのボロボロの背表紙を見て、どこかで聞いた覚えのあるタイトルだと思った。

しばらく考えて間もなく合点がいった。
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:32:02.61 ID:4sMggCAno
――しばらく経って、幸子は自分を呼んでいる声が聞こえてハッと顔を上げた。

我に返って返事をすると、母親が開け放したドアから顔を出しながら驚いたように目を丸くして言った。

「まあ、こんな所に。もうすぐお昼ご飯できるから下に降りてきなさい」
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:33:34.59 ID:4sMggCAno

 ◇ ◇ ◇

都会ではそれなりに売れっ子のアイドルをしていた。

以下略 AAS



8:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:34:36.58 ID:4sMggCAno
そこで幸子が最初に取り掛かったのは家事のお手伝いであった。

帰郷して二日目、幸子は夕飯の支度をしている祖母と母の元へ行き、意気揚々と「ボクも手伝いますよ!」と宣言した。

以前、とあるテレビ番組向けに特訓したこともあり、調理には自信があったのである。
以下略 AAS



9:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:35:53.45 ID:4sMggCAno
朝、祖母にやさしく揺り起こされて目が覚めた。
前日の夜、居間でぐっすり寝入っていた所を家族の誰かが布団の上まで運んだらしかった。

「もうじきラジオ体操始まるけ、さっちゃんも行くかえ?」

以下略 AAS



10:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:36:48.40 ID:4sMggCAno
ラジオ体操が終わる頃にはすでに額に汗が滲んでいた。

幸子は一息つきながら、空き地から人がまばらに去っていくのをどこか釈然としない気持ちで眺めていた。
釈然としない気持ちというのはつまり、「どうしてみんなアイドルの輿水幸子に気が付かないのか」という疑問である。

以下略 AAS



11:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:37:45.96 ID:4sMggCAno
家に帰ると母が起きてすでに朝食を用意していた。

幸子はまたもや自分が手伝いをする機会を逃したことを悔やんだが、代わりにまだ寝ている父親を叩き起こすという使命を与えられて喜んで寝室へ向かった。
哀れな父親は娘に馬乗りにされ、ほっぺをぐりぐり引っぱられ、終いには布団をひっくり返された挙句ようやく起き上がった。

以下略 AAS



12:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:38:30.85 ID:4sMggCAno
その後、幸子はしばらく休憩してから、地面に散らばった刈り草を集めて荷台まで運ぶ手伝いをした。
この作業もそれなりに大変だったが、刈られた草は日照で乾いて軽くなっていたので幸子ほどの体力があれば十分こなせる仕事であった。

一方祖父はさして疲れた様子も見せず黙々と草むしりを続けている。

以下略 AAS



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