12:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:38:30.85 ID:4sMggCAno
その後、幸子はしばらく休憩してから、地面に散らばった刈り草を集めて荷台まで運ぶ手伝いをした。
この作業もそれなりに大変だったが、刈られた草は日照で乾いて軽くなっていたので幸子ほどの体力があれば十分こなせる仕事であった。
一方祖父はさして疲れた様子も見せず黙々と草むしりを続けている。
幸子はそんな祖父の姿を見て、自分を不甲斐ないと感じるよりもむしろ祖父の力強い働きぶりに憧れた。
今はアイドルも農家をやる時代である。
幸子は、自分もいずれアイドル活動の一環として本格的に農業をやる時がくるかもしれないと考え、今のうちに祖父のやり方をしっかり見ておこうと思った。
午前中の仕事を終えると、幸子はごほうびとして取れたてのトウモロコシを食べさせてもらった。
とびきり実の詰まった特大のトウモロコシはずっしりと重く、またそれが恐ろしく甘かったので幸子は夢中になって頬張った。
水筒の麦茶をぐびりとあおぐと内側からさわやかな冷気が染みて気持ちがよかった。
そうやってぼんやり遠くの山を眺めていると凸凹した山腹にちぎれた雲の影がのんびり漂っているのが見ていて飽きなかった。
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