13:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:39:49.16 ID:4sMggCAno
◇ ◇ ◇
昼過ぎ、陽が高くなって庭中に熱気がこもるようになると、風通しのいい屋敷もさすがに蒸し暑くなった。
14:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:40:50.05 ID:4sMggCAno
途中で駄菓子屋に寄ってアイスを買ってもらった。
祖母が店主のおばさんと話し込んでいるあいだ、幸子は軒下のベンチに座りアイスキャンディーをぺろぺろ舐めて涼んだ。
店の戸口に風鈴がぶら下がってちりんちりんと可愛らしく鳴っている。
幸子は、ただ日陰に座ってアイスを食べているだけなのに自分がとても贅沢なことをしている気がして楽しくなった。
15:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:41:33.42 ID:4sMggCAno
「雪美ちゃんひとりかい?」と祖母がやさしく尋ねた。
「うん……」
「なにか面白いことでもあったかいね?」
16:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:42:20.85 ID:4sMggCAno
幸子はせっかくなのでペロを探すのを手伝うことにした。
と言っても申し出たのは幸子の方からで、べつに雪美が頼んだわけではない。
単なる幸子のおせっかいである。
「道路に飛び出て車に轢かれたりしたらタイヘンですからね」
17:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:43:10.19 ID:4sMggCAno
「そういえばまだ名前を名乗ってませんでしたね」
幸子は神社の裏手にある茂みをガサガサと歩き進みながら自己紹介をした。
しかし雪美は何も答えず黙ったまま、幸子が蜘蛛の巣に驚いてひっくり返りそうになっているのをじっと眺めているだけである。
18:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:44:09.06 ID:4sMggCAno
……三〇分ほど探し回り、結局ペロは祖母の膝の上で丸まっていた所を発見された。
おみやさんの外まで探し回っていた二人が休憩がてら神社まで戻ってみると、そこで祖母とペロが仲良く昼寝していたのである。
灯台下暗し。
これにはさすがに幸子も徒労感にがっくりした。
19:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:45:11.92 ID:4sMggCAno
さて、ひと通り使い方をレクチャーしてやると、雪美は俄然はりきってスマホを構えだした。
「しっかりとボクのカワイイ姿を撮ってくださいね!」
今にも腕の中から飛び出しそうなペロをなんとか抱きかかえ、幸子は渾身のアイドルスマイルをカメラに向けた。
20:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:46:26.29 ID:4sMggCAno
おみやさんでひとしきり遊んだ後、雪美が行きたい場所があるというので幸子と祖母は一緒に付いて行った。
道路を挟んで向かい側に小さな川があり、その土手を上流へのぼって行くとやがて広い河原が見えた。
雪美の後に付いて河原へ降りて行く。
足元はごつごつした小石が敷き詰められ、おまけにここは日差しが直に当たって暑かったけれども、小川のせせらぎと共に周囲の雑木林から吹いてくる微風が汗をやさしく冷やすのが心地良かった。
21:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:47:29.52 ID:4sMggCAno
「この辺はたくさんカニがいるんですか?」
「うん……岩影とか……あと魚も捕れる……」
幸子はそれを聞いて心が浮き立った。
22:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:48:23.70 ID:4sMggCAno
夕方になり、幸子が帰る時間になると、雪美が名残惜しそうに
「明日も……遊べる……?」
と言うので、幸子は
23:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:55:15.98 ID:4sMggCAno
◇ ◇ ◇
翌朝、ラジオ体操へ行くと、この日は雪美の方が先に到着していたようで、幸子の姿を見とめるや否やてくてくと歩み寄り、ラジオ体操が終わるまで幸子の傍から離れようとしなかった。
昨日の今日ですっかり懐かれてしまったようである。
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