23:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:55:15.98 ID:4sMggCAno
◇ ◇ ◇
翌朝、ラジオ体操へ行くと、この日は雪美の方が先に到着していたようで、幸子の姿を見とめるや否やてくてくと歩み寄り、ラジオ体操が終わるまで幸子の傍から離れようとしなかった。
昨日の今日ですっかり懐かれてしまったようである。
雪美の両親が「昨日は雪美とたくさん遊んでくれたんですってね」と言って幸子が恐縮するほどお礼の言葉を尽くした。
話を聞いてみると、この村にいる子供は今は雪美一人だけだという。
「去年までは他にも何人か居たんだけど、今年に入ってみんな高校に進学しちゃってねぇ」
その後、幸子が家に戻り、朝ごはんを食べ終わるとすぐ玄関のインターホンが鳴った。
「さっちゃんやー、雪美ちゃん来なったよー」
祖母に呼ばれて玄関に出てみると、雪美が虫かごと虫捕り網を構えたまま無言で突っ立っていた。
「は、早いですね……」
幸子が「ちょっと待ってて」と慌てて準備をしていると母が来て「あら、もう出かけるの?」と呑気に尋ねた。
「お昼までには帰ってきなさい」
「はぁい」
「お待たせしました」と言って玄関に現れた幸子は昨日と打って変わってTシャツに短パンという野暮ったい格好である。
手にしたポーチには日焼け止め、タオル、虫除けスプレー、水筒、絆創膏が入れてある
外は相変わらず日差しが強く、湿度もあって既に蒸し暑かったけれども、真夏気分を味わいたい幸子にとってはむしろうってつけの天気であった。
出がけに祖母が「熊に気ぃつけてな〜」と言って幸子を震え上がらせたが、雪美が「鈴を鳴らして歩けば大丈夫」と腰にぶら下げた鈴を見せたのでとりあえず安心した。
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