24:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:56:11.25 ID:4sMggCAno
雪美に付いて歩いて行くと山あいの畑から少しはずれた場所にある杉林に入って行った。
手入れされているのか他の雑木林に比べると雑草が少なく見晴らしもいい。
幸子が熊の気配におっかなびっくりしながら杉林の中を進んでいると、唐突に倒木の群れが視界に現れた。
それらの倒れた杉の木に囲まれるように小さな広場が出来上がっている。
隅の方に打ち棄てられた小屋がひっそり建っているのが見えた。
「ここ……秘密基地……」
雪美の後に続いて小屋の中を覗いてみる。
手前の壁には謎めいた木の枝がうやうやしく立て掛けられ、地面には大小さまざまな石ころ、大量のセミの抜け殻、すすけたガラス瓶、何か機械らしき物の部品、その他ガラクタのようなものがあちこちに転がっている。
「これはなんですか?」
何の変哲もない木の枝がなぜこんな大げさに飾ってあるのか気になって尋ねると、
「……伝説の剣……」
雪美はそう言って片手に持ち、天高く掲げて見せるのだった。
そのポーズがなんだか妙に可笑しかったので幸子はスマホを取り出し写真を撮った。
「あれ、よく見たらここにも何かありますね……?」
小屋の奥の方を見てみると、埃をかぶった白いプレートが数枚、壁に貼り付けてあった。
掠れて読めないが、名前が書いてあるらしい。
「……前……一緒に遊んでた友達の……秘密基地のメンバー……」
確かに、よく見てみると一番下の方に「佐城雪美」らしき字の書かれたプレートがあった。
しかし長い間放置されていたために今はそれすらも土埃にまみれ、半分以上の字は掠れて読めなかった。
幸子は不意にいたたまれない気持ちになって顔を逸らした。
すると横にいた雪美とばったり目が合ってしまい、幸子は自分の同情心を悟られないか一瞬慌てたが、当の雪美はそんな幸子の気遣わしさなどまるで素知らぬ風にキョトンと見つめ返すのだった。
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