131:名無しNIPPER
2017/08/09(水) 17:30:54.47 ID:hojLDG6p0
「五月雨、どこにいるんだ? 宇和島基地の谷風が五月雨と演習したいってよ」
「とっ、と、トイレですっ!! 谷風ちゃんの事は分かりましたから先に行ってて下さい! あとで、工廠前で会いましょう!!」
「あっ、ああ、そうだったのか。すまなかった……。分かった。先に下に降りてるよ」
132:名無しNIPPER
2017/08/09(水) 17:32:43.05 ID:hojLDG6p0
「おー、あれが五月雨中尉か、凛としておるなっ!」
谷風は五月雨に手を振る。五月雨はそれに気付くと作ったように笑って手を振り返した。私は、五月雨の方へと駆けて行った。
「すまん、さっきはトイレ中なの知らなくて……。谷風と演習してくれるか?」
133:名無しNIPPER
2017/08/09(水) 17:33:55.17 ID:hojLDG6p0
その後、五月雨はすたすたと工廠の中へ入り、艤装の装着をし始めた。
私は五月雨が投げつけた耳栓四つを拾い上げる。
耳栓を見ると、二つは「犬」、もう二つは「ねずみ」と小さくボールペンで書かれているのを確認した。
134:名無しNIPPER
2017/08/09(水) 17:36:30.81 ID:hojLDG6p0
「んでは、審判はこの五神島泊地司令少佐が行う。戦闘時間は十五分、範囲は約一海里四方とする。あと、レーダーにフィールドの座標を入れておいたから、フィールド外枠の0.2海里手前まで接近すると無線の短信音で知らせるよう設定してある。あとは何時もの演習通りである」
「……司令、漁船が近くにいますが大丈夫ですか?」
「あー、ありゃあ、大丈夫。一海里以上は離れているよ。それにあたしゃあ逃げるつもりはないからね。常に五月雨中尉の0.3海里以内で戦う覚悟よ」
135:名無しNIPPER
2017/08/09(水) 17:37:37.69 ID:hojLDG6p0
「演習開始!」
直後、谷風は五月雨に向かって疾風の如く突っ込んでいった。
そして、谷風は有無を言わず神速の突撃を加えながら連装砲を発射する。
136:名無しNIPPER
2017/08/09(水) 17:38:44.91 ID:hojLDG6p0
「いやぁ、五月雨中尉は強い。でも本気じゃないのが残念。あたしはもっと五月雨中尉に動いて欲しいんだけどね……」
「戦では体力消耗しない様にできる限り動かないのが基本だから、無駄な動きをしていないだけ。もちろん、避けることに関して言えば私も本気ですよ。谷風ちゃんの砲撃は正確だから、ちょっとでも気を抜かしたら当たっちゃうよ」
「くぅう、そう言ってくれると有難い。でも、あてなきゃ意味がない!」
137:名無しNIPPER
2017/08/09(水) 17:40:52.02 ID:hojLDG6p0
と、谷風の無線から短信音が響く。谷風は左旋回を始めた。加えて、速度も落ちている。
それを五月雨は見逃さず、旋回中の谷風を後方から狙い撃ちながら、距離を狭めていった。
「あいたっ、ももに当たりやがった!」
138:名無しNIPPER
2017/08/09(水) 17:42:02.74 ID:hojLDG6p0
こうして私は二隻に対して無線をつなげた。
「演習やめ!」
私が合図すると、五月雨はこちらを一瞬振り返る。
139:名無しNIPPER
2017/08/09(水) 17:43:21.56 ID:hojLDG6p0
それから谷風と五月雨が砂浜に戻ってくると、後続して桟橋に一隻の漁船が接岸した。
すると、漁船から護衛として袴姿の神風型の艦娘を左右に揃えた、五十代の厳ついオールバックの司令官が出てきた。
「ふむ、貴様がここの後継者となった新人少佐か」
140:名無しNIPPER
2017/08/09(水) 17:44:52.80 ID:hojLDG6p0
「それで、私になんでしょう……?」
まじまじと五月雨を見回す宇和島基地の司令を前に、彼女は訊き返す。
「五月雨よ。こんなしけた司令部は辞めて、宇和島に来ないか?
214Res/213.95 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20