133:名無しNIPPER
2017/08/09(水) 17:33:55.17 ID:hojLDG6p0
その後、五月雨はすたすたと工廠の中へ入り、艤装の装着をし始めた。
私は五月雨が投げつけた耳栓四つを拾い上げる。
耳栓を見ると、二つは「犬」、もう二つは「ねずみ」と小さくボールペンで書かれているのを確認した。
若干耳栓の形が違うので、判別用に書いているのだろう。耳栓に名前をつけるところ、五月雨らしくてかわいいなと思った。
それから五分ほどして艤装を装着した五月雨が出てきた。
「ほら、耳栓返すよ」
「……」
五月雨は黙ったままそれをぎゅっと受け取ると、谷風のいる海岸へと足早に向かっていった。
「これはこれは五月雨中尉、あたしとの演習をみとめてくれて誠に有難う」
「どういたしましてですよー。谷風ちゃんの話は北上さんから聞いてたから、いつか私に演習を申し込んでくると思ったよ。私も谷風ちゃんの神速の味を拝見させてもらうね。
で、訓練用魚雷はコストかかるから演習用の12.7センチ連装砲を各一丁でいい?」
「ええ、もちろんですとも! 砲撃戦でもあたしゃあ負けませんよっ!」
谷風は張り切った口調で五月雨に意気込む。それを見て五月雨は笑いながら、演習用の12.7センチ連装砲一丁を谷風に渡した。
「これでかつる!」
「私もまけませんよ!」
こうして、二人の戦いは幕を切って落とされたのである。
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