141:名無しNIPPER
2017/08/09(水) 17:45:54.08 ID:hojLDG6p0
「あの女、貴様はちゃんと教育しているか??」
宇和島基地の司令は私に向かってそう尋ねた。
「もちろんです。およそ一か月で准尉に昇格できる試験を受けられる権利を得るくらいには教育させています」
142:名無しNIPPER
2017/08/09(水) 17:47:27.13 ID:hojLDG6p0
「……宇和島基地の少将さんさー、あんたの所の谷風ちゃんも私の司令には敬語喋ってなかったよー。それに、今の発言なに? セクハラで訴えられても知らないよー」
妹は私の横に立つと、宇和島基地の司令の言葉に動じず反論した。
「ふん、我に口出しするとはたいした度胸だ。まぁ、貴様らのようなしけた場所にいる輩に敬語なんていらんから谷風もそうしているだけだ。なぁ、谷風?」
143:名無しNIPPER
2017/08/09(水) 17:48:18.94 ID:hojLDG6p0
こいつは真性の、クズだ。
「谷風ちゃんは、それでいいの??」
妹が谷風に訊く。
144:名無しNIPPER
2017/08/09(水) 19:59:21.45 ID:hojLDG6p0
クズ司令官はそう言うと、再び妹の近くへとやってきた。
「お前も一緒に乗っていくか? みっちり『教育』させてやるから、いい子になるぞ」
その言葉が怖かったのか、妹は私の手を反射的に強く握る。私も妹の手を握り返した。
145:名無しNIPPER
2017/08/09(水) 19:59:48.12 ID:hojLDG6p0
「五月雨も大丈夫か?」
私は手招きして五月雨に呼びかける。五月雨は我に返ると、こっちに来た。
「私は大丈夫です。……動揺してしまいましたけど……」
146:名無しNIPPER
2017/08/09(水) 20:00:54.98 ID:hojLDG6p0
***
その日の夜は、明日に備えて二十一時半には消灯した。
が、なんか下がどたどたと煩い。寝室の下階と言うと五月雨の部屋だが、壁を叩いているのかそんな感じの音がこっちにまで響いてきた。
147:名無しNIPPER
2017/08/09(水) 20:02:08.28 ID:hojLDG6p0
突然抱きしめられ、私はどうしてよいか分からなかった。
「……司令は、私のこと、撫でたり、抱きしめてくれたり、しないんですか??」
い、いや、こんなかわいい五月雨を撫でたり抱きしめたりしたらいけない気がするのだ。
148:名無しNIPPER
2017/08/09(水) 20:03:13.70 ID:hojLDG6p0
「黙秘する司令もかわいいです。でも、もう今ので分かっちゃいました。やっぱり司令と北上さんは兄妹なんですね」
「うう、何で分かった?……あっ!」
やられた!
149:名無しNIPPER
2017/08/09(水) 20:04:25.72 ID:hojLDG6p0
なるほど。つまり、あの命令は兄弟姉妹で着任した人全員に出される命令だったのか。
てっきり訳ありな命令だったから、ここに私と妹の二人を配属したことにも意味があるのだと思っていたが、そうでもないらしい。
「そうか……五月雨はいつごろから分かってたのか?」
150:名無しNIPPER
2017/08/09(水) 20:05:07.83 ID:hojLDG6p0
それから五月雨は視線を下す。
「――司令は、ホントに私のこと、信頼してますか? 私のこと、信じてくれますか?」
「もちろんだよ。僕らは家族だから、五月雨の事は信じてるし信頼してる」
151:名無しNIPPER
2017/08/09(水) 20:06:17.65 ID:hojLDG6p0
「えへへ……お兄ちゃんって私も呼んでいいですか??」
「五月雨にそう呼ばれるのは恥ずかしいな……」
そういうと、五月雨はぷくーと頬を膨らます。
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