1: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/11(火) 02:53:07.05 ID:2/pFdI7xO
前置き
・艦娘=適合する人間設定
・基本一人称ですが、地の文が入るかも
・他にも独自設定ありかも
・重い描写あり
・更新はまったり目
お読み頂ける際は、上記の点にご注意願います。
SSWiki : ss.vip2ch.com
2: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/11(火) 02:55:00.86 ID:2/pFdI7xO
夜の執務室を開けると、よく音楽が流れてるんです。
それはその日の任務も終わって、いつも司令官が 一人になる時間。秘書艦を務めることが多い青葉は、夜に用ができて執務室を訪ねることも多くて。
そのメロディと歌詞を、何となく覚えてしまったんです。
3: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/11(火) 02:57:09.85 ID:2/pFdI7xO
「おっはよーございまーす!」
「ああ、おはよう青葉。」
4: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/11(火) 02:59:07.05 ID:2/pFdI7xO
“書類の印刷忘れちゃったなぁ、戻らなきゃ。”
ある夜の事でした。
1日の終わり、仕事の抜けに気付いて執務室に向かったんです。
5: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/11(火) 03:00:21.53 ID:2/pFdI7xO
「天国ですか…私達艦娘って、各々適合する艦の記憶を、ある程度共有してるわけじゃないですか。
それって幽霊が憑いてるようなものだから、きっとあると思います。」
この時は艦娘研修で習うような解釈しか、青葉には答えられませんでした。
6: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/11(火) 03:01:43.88 ID:2/pFdI7xO
また幾日か過ぎた頃でした。
たまにその日の戦況を収めた写真が司令官の元に送られてくるのですが、私はこれが苦手で。
戦況や殺傷効果のサンプルとは言え、要は死体写真です。自分の戦闘が終わった後も改めて見るのは、少々堪えるものがあります。
7: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/11(火) 03:03:35.64 ID:2/pFdI7xO
司令官は音楽がお好きなようで、ポータブル用のスピーカーを机に置いていました。
でもいつも掛けているわけではなく、流すのは、必ず一人になってから。
だから普段どういうものを聴いているのかは、夜も執務室を訪ねる青葉ぐらいしか知りません。
8: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/11(火) 03:05:20.80 ID:2/pFdI7xO
「昔怪我をしてね。臨死体験って言うんだろうか…夢を見たんだよ。
その時のことを、これを聴いてると思い出すんだ。」
「臨死体験って…そんなに危なかったんですか!?」
9: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/11(火) 03:06:06.81 ID:2/pFdI7xO
今回はここまで。
10:名無しNIPPER[sage]
2017/04/11(火) 05:25:15.71 ID:eGb+tdmH0
期待
11: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/13(木) 07:35:35.36 ID:oTabk5kGO
ある日の事でした。
姉妹艦でもある、同僚の衣笠からある噂を聞いたんです。
「青葉ー、聞いた?○○鎮守府の提督が行方不明だって。」
12: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/13(木) 07:37:32.15 ID:oTabk5kGO
その日の夜、何となく執務室に行ってみました。
最近は大した用事が無くても、少し顔を出すようにしていて。
表向きは尻尾を掴んでみたいって考えでしたけど…実際のところ、やっぱり気になっていたんだと思います。
遠い目をしている時の司令官は、まるでどこにもいないみたいで。いつもの表情も相まって、少し心配だったんです。
13: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/13(木) 07:38:45.04 ID:oTabk5kGO
その後眠る前に、青葉はスマホの音楽アプリを立ち上げていました。
それでネットで、1曲だけ購入してみたんです。今日もやっぱり流れていたあの曲を。
ひとりでじっくり聴けば、この曲が好きな司令官の事を、もっと理解できるんじゃないかって。
子供の頃、父が車で掛けていた時は、何だか怖い曲だって印象しかありませんでしたけど。
14: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/13(木) 07:39:59.55 ID:oTabk5kGO
それで何度もリピートしてるうちに、寝落ちしてしまって…そのまま、夢を見ました。
曇り空の海と、原っぱと砂浜と。それ以外何も無い世界。
誰もいないし、周りは自然しかないのに、全部が無機質に思えました。
15: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/13(木) 07:43:46.16 ID:oTabk5kGO
「んぁ…夢かぁ。」
そこで目が覚めました。
でも、夢って不思議ですねぇ…起きた時、あくびとは別で涙が伝ってたんですから。
16: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/13(木) 07:45:05.44 ID:oTabk5kGO
休日に出掛ける時は、まず窓を開けてみます。
それでその日の天気と気温を見て、それから服を決めるんです。
今日は…ああ、曇りだし、結構冷えてるなぁ。
何かあったかくて可愛いのあったかな…メイクと髪は…って、デートじゃないんだから!あんまり気合入れすぎると、ガサにからかわれちゃうなぁ。
あ、でもかなり時間あるなぁ…つ、爪ぐらいは塗っても…。
17: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/13(木) 07:46:36.62 ID:oTabk5kGO
駐車場に来てくれって言われていたので、青葉は指定された車を探していました。
えーと…あ、あれだ!もう乗ってる、待たせちゃったかな。
「すいません!遅れちゃいましたぁ!」
18: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/13(木) 07:48:36.75 ID:oTabk5kGO
「メニュー見てるだけでも美味しそうですねぇ、ここにはよく来られるんですか?」
「普段は一人でね。コーヒー飲みに来る事の方が多いけど。ここでぼーっとしてるのが好きでさ。」
「おや、元カノさんとは来なかったんですか?」
19: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/13(木) 07:49:45.62 ID:oTabk5kGO
「司令官!ご馳走様でした!」
「どういたしまして。あ、そうだ。少し食休みに歩かないか?」
20: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/13(木) 07:51:25.81 ID:oTabk5kGO
岩に乗って、そしたら強い風が吹いて。
やっと目を開けた時、青葉の中を既視感が駆け抜けて行きました。
“あれ?ここって…”
21: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/13(木) 07:53:18.42 ID:oTabk5kGO
司令官と別れて部屋に戻ると、青葉は真っ先にパソコンを立ち上げました。
ここのネット回線は当然軍のもので、各々のパスを入れるとある物が見れるんです。
それはweb資料館と言いますか、過去にあった戦闘の記録の類です。
例えば作戦と戦闘内容や、死者数や生存者数のデータベース。
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