6: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/11(火) 03:01:43.88 ID:2/pFdI7xO
また幾日か過ぎた頃でした。
たまにその日の戦況を収めた写真が司令官の元に送られてくるのですが、私はこれが苦手で。
戦況や殺傷効果のサンプルとは言え、要は死体写真です。自分の戦闘が終わった後も改めて見るのは、少々堪えるものがあります。
司令官はいつもの如く渡されたUSBを開いて、それを淡々と確認していました。
少しずつ分かった事なのですが、司令官の口が真一文字になる瞬間は、二つあって。
一つは真剣に作戦や資料に向き合う時と、もう一つは物思いに耽る時。
モニターに映る敵の写真は、それはひどい有様で。最期まで抵抗したが故に、どれも深い苦悶の顔を浮かべていました。
写真を見る司令官の口は、真一文字でした。
でも本当に何となくですが、後者のような気がしたんです。
それはこの前、天国の話をした時のような。
「さ!司令官!そろそろ次のお仕事に戻りましょー!」
「ああ、すまない。ぼーっとしてしまったね。」
物思いに耽る時の彼の顔は、あまり好きにはなれませんでした。
何か、底知れないものがあるような気がして。
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