青葉「けしの花びら、さえずるひばり。」
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7: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/11(火) 03:03:35.64 ID:2/pFdI7xO

司令官は音楽がお好きなようで、ポータブル用のスピーカーを机に置いていました。
でもいつも掛けているわけではなく、流すのは、必ず一人になってから。
だから普段どういうものを聴いているのかは、夜も執務室を訪ねる青葉ぐらいしか知りません。

何というか…暗いものや、静かなものが多いんです。洋邦問わず様々なものが流れているのですが、一貫しているのはそれでした。
私はそこに出くわすと、特に歌詞に耳を澄ませるようになりました。
普段のアルカイックスマイルの裏は、その趣味の中にあるのかもって思って。

司令官はいくつかプレイリストを作っていて、その日の気分で変えていました。
でも一曲だけ必ず入っているのは、やっぱりあの曲で。

“泣きたくなるほどノスタルジックになりたい…かぁ。
司令官、泣く事なんてあるのかな?”

彼の方を見ても、やっぱり相変わらずの笑顔。
この時ふと、青葉は彼の人間らしい部分を見てみたいと思いました。

「司令官、この曲だけは毎晩聴いてますよね?もう段々覚えちゃいましたよ。」

「名曲だよ。何度聴いても落ち着くね。」

「…やっぱり、何か思い出でもあるんじゃないですかぁ?」

「思い出か…あるよ。」

「お!教えてくださいよー!」

「メモ帳を仕舞ってからにして。
そうだな……僕は、一度死に掛けた事がある。」

「………え?」

思わずペンを落としてしまったのは、その時の事でした。




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