12: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/13(木) 07:37:32.15 ID:oTabk5kGO
その日の夜、何となく執務室に行ってみました。
最近は大した用事が無くても、少し顔を出すようにしていて。
表向きは尻尾を掴んでみたいって考えでしたけど…実際のところ、やっぱり気になっていたんだと思います。
遠い目をしている時の司令官は、まるでどこにもいないみたいで。いつもの表情も相まって、少し心配だったんです。
扉を開けると、また音楽が流れていました。
色んな音楽を聴いてるけど、やっぱりどれも明るくはないなぁ。
「司令官、お疲れ様です!」
「ん?ああ、青葉か。」
「音楽タイムですね。今日は洋楽ですか?」
「シガーロスって言うんだよ。疲れた日に聴くなぁ。」
「おや?いつも笑顔な司令官でも、疲れる事があるんですねぇ。」
「おいおい、僕も人間だよ?さっき仕事終わったら、何だか腑抜けちゃってさ。こないだの出張の気疲れかなぁ。」
彼のぼやきを聞いたのは、その時が初めてで…何となく嬉しくなったんですよ。
何だか、少し心を開いてもらったような気がして。
「で、その時ガサがですねぇ。」
「あはは、あいつらしいね。」
この日は、いつもより長く雑談をしていました。
取材そっちのけで、最近あった面白い話や、他にもこぼれ話をたくさんして。司令官はいつもの顔でずっと聞いてくれていました。
…でも逆に、青葉の事を聞いてきたりはしませんでしたけど。
ちょっと、寂しいななんて。贅沢でしょうかね。
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