729: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/08(土) 11:27:00.96 ID:Q+V+Oj11o
博士と犬型のロボットは足音のする方向へ目を向ける。
照明がついていない暗がりの通路から、二人の人間がゆっくりと姿を現した。
その姿を捉え、博士はメガネのズレを直しながら、
730: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/08(土) 11:27:50.71 ID:Q+V+Oj11o
博士「楽しいかね? 生温い表の世界で幼稚な会社を作り、お山の大将を気取れるその生活が」
博士「従犬部隊(オビディエンスドッグ)と言ったかね? 従業員は当時の猟犬部隊(ハウンドドッグ)の部下だったか。そんな使い捨てのクズどもを起用するとは情でも移ったのかね?」
731: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/08(土) 11:29:00.84 ID:Q+V+Oj11o
数多「部下に情が移っただぁ? 新しい人員を補充するのが面倒だったからそのまま使ってやってるだけだ!」
数多「そこで寝ているクソガキに庇護欲が湧いただぁ? テメェは耳元でギャンギャン鳴く糞犬にそんな感情が湧くのかぁ? 俺には到底無理だねぇ!」
732: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/08(土) 11:29:35.94 ID:Q+V+Oj11o
顎に手を当て三秒ほど考えてから、
733: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/08(土) 11:30:34.78 ID:Q+V+Oj11o
ガシャコン!! と一〇〇機のガトリングレールガンの安全装置が外れる音が鳴る。
数多はため息をつき、隣に立つ円周を見て、
734: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/08(土) 11:31:41.88 ID:Q+V+Oj11o
ドゴゴゴゴッ!! という連続した爆発の音が鳴る。
木原円周の正面に立つガトリングレールガンが発射された音だ。
音速の三倍を超える速度の砲弾が、毎分四〇〇〇発もの速度で、障害物を食い破りながら襲いかかる。
735: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/08(土) 11:32:44.30 ID:Q+V+Oj11o
スクールの二人組。『心理定規(メジャーハート)』と名乗る少女獄彩海美と誉望万化は、少年院の地下三階の通路を駆けていた。
通路にはバタバタと警備兵と思われる男たちが倒れている。通路を走る海美が倒れた警備兵たちを横目に、
736: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/08(土) 11:33:54.83 ID:Q+V+Oj11o
誉望「……なんだあれは?」
海美「たしか……あの子は――」
737: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/08(土) 11:35:20.86 ID:Q+V+Oj11o
黒夜「…………は?」
738: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/08(土) 11:36:36.42 ID:Q+V+Oj11o
黒夜「――つまり、オマエらは私を殺すことが出来る最後のチャンスを無様に失ったっつゥことなンだよッ!! わかったかなァー三下どもがッ!!」
739: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/08(土) 11:37:32.41 ID:Q+V+Oj11o
海美は考える。
おそらくこの相手と正面からぶつかって勝つ確率などゼロに等しいだろう。
そもそもそういった戦いは海美が得意とする分野ではない。
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