結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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732: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/08(土) 11:29:35.94 ID:Q+V+Oj11o


 顎に手を当て三秒ほど考えてから、


数多「『ヘヴンズドア』って言葉、聞いたことあるか?」

博士「直訳すると天国への扉か。だとすると――」


 博士が何を言おうとする前に数多は口元を引き裂きながら、



数多「ギャハハハハハッ!! そんな表面上の言葉にしか目が行ってねえ時点でテメェはアレイスターの犬、いや、その犬のケツから垂れ流される糞以下の価値しかねえヤツだっつうことだッ!! 残念だったなぁ!!」



 博士の言葉を遮る。
 まるで発言権を奪うように。可能性を潰すように。存在全てを否定するように。
 叩き潰すような言葉を受けた博士は、


博士「……そうか」


 ただ一言だけ。これといったリアクションを見せることなく。つぶやいた。
 こめかみをポリポリと掻いた後、静かに語りかける。


博士「では君を処分した後で、ゆっくりとアレイスターからそれについて教えてもらうとしよう――馬場君」


 名前を呼ばれた犬型のロボットは特に返事をしなかった。
 その代わりにガシャン、という弾けるような音が倉庫内に何十も響き渡る。

 数多は周りを見回した。倉庫内に置いてあった大量のコンテナの蓋が全て開いていた。
 コンテナの中から何かがおもむろに姿を現す。

 それは『T:GD(タイプ:グレートデーン)』と呼ばれる犬型のロボットだった。
 しかし、それは目の前にいる博士の側で佇んでいる者とは違う形状をしている。
 背中に巨大なドラム缶のようなものが載せられていた。そこから管が伸び、砲台のようなものへと繋がっている。
 重量物を支えるため脚部にサスペンションのようなものが取り付けられていて、四足が大型化していた。

 異形の機械を見た数多が何かに気付いたように呟く。


数多「あれは……『Gatling_Railgun(ガトリングレールガン)』か」


 その言葉にかぶせるように馬場という少年が、犬型ロボット越しに、


イヌロボ『木原数多ぁ!! お前言ったよなぁ!? 俺を殺すなら第三位の『FIVE_Over(ファイブオーバー)』一〇〇機くらい用意しろってなぁ!! だから――』


 ガシャン、ガシャン、と全方位からロボットが起動する音が聞こえてくる。
 たくさんのコンテナの中から次々とドラム缶のようなものを背負った犬型のロボットたちが飛び出す。


イヌロボ『――用意してやったぞ!? ガトリングレールガンを搭載した『T:GD−C(タイプ:グレートデーンカスタム)』を!! 一〇〇機なあッ!!』


 倉庫の一階と二階から。数多たちを取り囲むように全方位から。
 一〇〇もののガトリングレールガンが銃口を向けられていた。


数多「……あー、そういやそんなこと言ったっけなぁ」


 数多は面倒臭そうに頬を掻いた。


数多「よくもまあ、わざわざ俺なんかのためにそんなもん手間暇かけて準備してくれたもんだ」

イヌロボ『お前が全部悪いんだ!! あのとき素直に『最終信号(ラストオーダー)』を渡さなかったから!! 僕たちに歯向かったから!! 僕のプライドに傷をつけやがったから!!』


 犬型のロボが咆哮する。
 腹の中で凝り固まった負の感情を全てぶちまけるように。


イヌロボ『だからお前を殺すッ!! 吹き飛ばしてやるッ!! 粉微塵になるまで消し飛ばしてやるッ!! この一〇〇機のガトリングレールガンでッ!! この僕の手でッ!!』





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