734: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/08(土) 11:31:41.88 ID:Q+V+Oj11o
ドゴゴゴゴッ!! という連続した爆発の音が鳴る。
木原円周の正面に立つガトリングレールガンが発射された音だ。
音速の三倍を超える速度の砲弾が、毎分四〇〇〇発もの速度で、障害物を食い破りながら襲いかかる。
砲弾が着弾する。建物全体が地震のように揺れる。倉庫内に粉塵が巻き起こる。
ガトリングレールガンの音が止む。
木原円周の肉体が砕け散り、ターゲットを見失ったから砲撃をやめたのか。
今頃砲撃を撃ち終えたロボットは、砲身を冷却させながら次のターゲットへと銃口を移動させていることだろう。
しかし、現実は違った。
粉塵が晴れる。
ガトリングレールガンの発射地点の倉庫の二階、一機のガトリングレールガン搭載の獣が立っていた場所。
そこには誰もいなかった。その後ろにも何機か同じような獣が立っていたはずだ。だが。
その一帯はまるで爆撃でもあったかのように床は砕け、壁は吹き飛び、天井に大穴を開いていた。
粉塵が晴れる。
ガトリングレールガンの着弾地点と思われる場所、木原円周が立っていたはずの場所。
そこには人が一人立っていた。その姿は先ほどまでそこにいた少女だった。
木原円周が、ガトリングレールガン発射前と変わらぬ姿で、悠然とその場に立っていた。
博士「……ば、馬鹿な」
その一部始終を見ていた博士の顔が歪んだ。
この場で起こったことを説明できる一言を、その起こった現象の単語を呟く。
博士「――『反射』、だと……!」
着弾地点で首をゴキッと鳴らしながら円周はぼやくように、
円周「……うーン、反射角結構ズレてるねェ。威力も一〇〇パーセント跳ね返せてないし、まだまだ調整が必要かなァー」
まァイイか、と円周は思考をやめてガトリングレールガンを持つ獣達へと再び目を向ける。
円周「じゃ、とりあえず『一方通行』らしく、この一言は言っておかないといけないよねェ」
少女は赤い目を見開かせて、口端が裂けるくらい口角を上げて、
円周「――スクラップの時間だぜェ!! クソ野郎どもがッ!! って感じでお願いしまーす」
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