結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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736: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/08(土) 11:33:54.83 ID:Q+V+Oj11o


誉望「……なんだあれは?」

海美「たしか……あの子は――」


 色物を見るように二人は少女を見る。
 そんな二人の気配と視線に気付いたのか、寝転んでいた少女は目を覚ました。
 少女は上体を起こして、首のコリをボキボキとほぐしながら、


??「ふわー、やべっ、寝ちまってた。ったく、暇過ぎんだろこの任務……おっ?」


 辺りを見回した少女はスクールの二人の存在に気付く。
 二人の姿を二秒くらい見つめた後、はぁ、とため息を付いてからゆっくりとベンチから立ち上がる。


??「チッ、アンタたちかよ。あー、クソッ、二択外しちまったなぁ」

海美「こんなところで何をしているのかしら? 『暗闇の五月計画』の生き残り、黒夜海鳥さん?」


 黒夜と呼ばれた少女がニヤリと笑い、


黒夜「別に。ただのくだらない雑用さ」


 黒夜海鳥という名前を聞いた誉望が何かを思い出し、耳打ちするように海美に話しかける。


誉望「黒夜、ってアレっスよね? 去年の九月くらいに垣根さんにボコボコにされた」

海美「そうね。垣根に圧倒的な力の差をわからせられたあの子よ」

黒夜「……聞こえてんだけど」


 二人の会話に聞き耳を立てていた黒夜は体をプルプルと震わせていた。
 事実、彼女は超能力者(レベル5)第二位の垣根帝督と相対したことがある。
 そのときに超能力(レベル5)というチカラを見せつけられたことにより、戦意を完全に喪失させられていた。
 屈辱的な過去を持つ黒夜はふう、と息を整えてから続ける。


黒夜「たしかにあのときの私はただのザコだった。それは認めるよ。けど、今の私はあのときの私じゃない。超能力者(レベル5)だろうと何だろうと全員ブチ殺せるチカラを持っているのさ」

黒夜「本当はここで、第一位を追ってきた第二位をプチッと潰して借りを返してやるつもりだったんだけどさ、実際に来たのはアンタら残念な三下どもってわけだ」


 黒夜の発言を聞いた誉望の眉がピクリと動く。


誉望「垣根さんを潰す?」

黒夜「そうさ! 手足をぶった切って、内臓をグチャグチャにえぐり取って、脳みそコナゴナに吹き飛ばして、憐れな肉塊にしてやろうって言ってんだよ!」


 両腕を大きく広げ、見下ろすように笑う黒夜。
 絶対的な力を持っているような自信を少女から感じられる。

 そんな黒夜に向けて誉望は手をかざした。ゴーグルに付いたケーブルたちが蠢くように動く。
 何かを握り潰すように誉望はゆっくりとかざした手を握り締める。


 ブチィ!!


 黒夜の左腕が捻じり切れた。
 まるで雑巾を絞っているかのように螺旋を描き、肘の先からブッツリと。





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