705: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/01(土) 11:48:45.68 ID:31eSI50lo
結標「――ッ!!」
手塩「!?」
706: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/01(土) 11:49:26.20 ID:31eSI50lo
第七学区にある雑居ビルの屋上。そこでは絶えず電撃が走り、チカチカと輝いていた。
屋上の出入り口の扉に背を預けるように立っている少女がいた。
肩まで伸ばした茶髪にチャームポイントのアホ毛を風に揺らせている、見た目一〇歳前後の少女。
707: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/01(土) 11:50:21.96 ID:31eSI50lo
美琴(チッ、このままやってたらジリ貧ね。朝ご飯もまだだから体力的にあんまり長期戦も出来ないし)
708: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/01(土) 11:52:21.42 ID:31eSI50lo
美琴が行っているのは磁力操作。磁力を操って貯水タンクという巨大な金属の塊を意のままに動かしているのだ。
犬型のロボット達が美琴がやろうとしていることを察したのか、散り散りになって逃げていく。
それを追うように美琴は貯水タンクを操作し、
709: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/01(土) 11:53:58.19 ID:31eSI50lo
宙を浮く黒煙の中から何かが落下する。
黒煙の欠片をまといながら下降するそれは、少しずつ黒色を引き剥がし、姿を現す。
710: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/01(土) 11:55:03.00 ID:31eSI50lo
警戒音が鳴り響く少年院の廊下。上条当麻とA子と名乗る黒髪少女、そしてその少女の周りをゾロゾロと武装した男たちが歩いている。
最初は一人だった少女の配下の警備兵は、今となっては一〇人という大所帯となっていた。
ここにいる職員は、第五位のチカラにより少女の命令を聞く人形となっている。そのため、警備兵とのエンカウント=新メンバー加入ということになるのだ。
711: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/01(土) 11:56:32.08 ID:31eSI50lo
A子「えっと、ホント何言ってんだろって感じなんだケド。最初に会ったときから私がずっと言ってるわよねぇ? 『結標さんを助けに行く』って」
上条「いや、それはわかってんだ。なんつーか、えー、俺はこれから結標に会って何をすればいいんだ? とか、俺には一体何が出来るんだ? みたいなこと考えてて」
712: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/01(土) 11:58:04.41 ID:31eSI50lo
少女の問に上条は、
713: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/01(土) 12:00:18.89 ID:31eSI50lo
最初出会ったときからずっと気になっていた。なぜこの少女は自分を助けてくれたのか。
結標を助けるためか? しかし、彼女の言葉をそのまま鵜呑みにするならまったくの他人のはずだ。
そんな他人を助けようとする男に対して、少年院などという普通では絶対に入れない場所、そんなところまで連れてほどのことをする理由が上条には思いつかなかった。
714: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/01(土) 12:01:43.59 ID:31eSI50lo
少年院の遥か地下にある独房。その前にある細い通路に熊のような大男と長身の女、数人の武装した男たちが立っている。
その通路の床には一〇もいかない数の人が倒れていた。ほとんどが武装した男たちだ。
腹部や脚部に金属矢や割れた蛍光灯等の物体が突き刺さっていて、痛みで気絶したり動けないといった様子だった。
715: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/01(土) 12:02:59.06 ID:31eSI50lo
ただ、彼女の中に一つだけ、心残りのようなものがあった。
最後にある人物と会いたかったという感情。
その人物は、彼女にとって最低最悪のクソ野郎で、世界で一番嫌いな少年だ。
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