結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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712: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/01(土) 11:58:04.41 ID:31eSI50lo


 少女の問に上条は、


上条「……ああ。こんなところでグダグダしてる暇なんてねえよな。俺に何ができるのかなんてわからねえけど、とにかく今はがむしゃらにでも行動するしかねえよな」

A子「そ。それはよかった」

上条「ありがとな、えっと……」

A子「A子」

上条「あ、そうそう、A子さん。ごめん、何か最近物覚えが悪くて」

A子「別にいいわぁ、アナタはそういう体質になっちゃったのだからしょうがないわよ」

上条「体質……?」


 首を傾げる上条。
 だが少女は構うことなく、くるりとターンして再び通路を歩き始め、階段を降りていく。
 頭にハテナを浮かべたまま上条も後ろを付いて行った。

 階段を降り切ると、目の前に十字路の通路が見えた。
 前方に通路は四、五メートル幅の道が五〇メートルくらい先まで伸びている。
 この位置から見る限りは突き当りは壁で、さらにそこから左右に道がありそうだった。
 左の道を見る。両方ともすぐに壁に突き当たって右に曲がるようになっていた。右の道も同様だ。

 十字路の中心に少女は立ち止まった。そして、上条の方へと視線を向けながら話しかける。


A子「――さ、着いたわよぉ」

上条「着いた? ここに結標がいんのか?」


そう思って辺りを見回してみたがそれらしき人物は見当たらなかった。
というか上条と少女+その他一〇名以外は人一人いない。


A子「そういうわけじゃないわぁ。私が案内できるのはここまで、って意味の着いたよぉ」

上条「だったら最初からそう言え……ってあれ? 案内できるのはここまでってことは」

A子「そうよ。あとはアナタ一人で行ってもらうわぁ」

上条「お前は来ないのかよ」

A子「私は私でやることがあるのよぉ。それに昨日も言ったけど私は今の結標さんとは初対面。そんな女が行ったところで警戒力が増えるだけよねぇ、ってコト」


 そもそも今の私は借り物の体だから面識力があっても意味ないんだけどね、と黒髪の少女は補足する。
 そのあと少女はこれから行くべき道を上条へ懇切丁寧に説明し始めた。
 何か『隠し階段』だとか『本来は存在しないはずの部屋』とかいろいろ言われて上条は頭がパンクしそうになる。
 それを見かねた少女の簡単な説明によると、真っすぐ行って突き当たったら右に曲がって、すぐあるエレベーターの裏にある階段を降りた先に結標がいるらしい。
 とにかく真っすぐ行って右に行ってエレベーターの裏に回って階段を降りればいいんだな、と上条は心の中で何回も復唱した。


A子「じゃ、私は行くとするわぁ。頑張ってねぇー」

上条「待ってくれ。ちょっといいか?」

A子「何かしらぁ?」

上条「何でお前はここまでしてくれたんだ?」





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