結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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709: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/01(土) 11:53:58.19 ID:31eSI50lo


 宙を浮く黒煙の中から何かが落下する。
 黒煙の欠片をまといながら下降するそれは、少しずつ黒色を引き剥がし、姿を現す。

 それは御坂美琴だった。

 煤で身体を汚しながらも、周囲に青白い電気を走らせながら、右手にコインを構えて、


 『超電磁砲(レールガン)』が発射された。


 音速の三倍で射出されたコインはオレンジ色に発光しながら閃光となり、犬型ロボットの体ごとビルの屋上へと突き刺さった。
 普通に撃っていたら避けられていただろう。発射の直前まで黒い煙に身を隠していたため、予備動作が見えず回避が遅れてしまったのだ。
 超電磁砲の直撃を受けた犬型ロボットは粉々のスクラップと化する。

 美琴が磁力を操作し、姿勢を制御して屋上へと綺麗に着地する。
 遅れたタイミングで上から黒焦げた看板が落ちてきた。人一人は余裕で覆い隠せるような大きなものだった。
 彼女の体は常に電磁波によるレーダーを発している。だから、グレネードランチャーの弾頭が接近してくるのも察知していた。
 撃ち落とすことは距離的に難しかった為、急遽磁力を使い鉄製の看板を盾にすることにより身を守ったのだ。

 そう。彼女には電磁波レーダーがある。
 後ろにいる打ち止めに何かが、具体的に言えば犬型ロボットなどという鉄の塊が接近すれば分かるはずだ。
 だが、事実あのロボットは美琴のレーダーを掻い潜って打ち止めをさらった。


美琴(理由はあとからいくらでも考えられる……! 今はあの子を追わなきゃ……!)


 屋上の欄干から体を乗り出し、打ち止めをさらった犬型のロボットが走っていた方向を見る。
 いた。まだ目で追える距離にいる。今ならまだ間に合う。
 美琴があとを追おうと、ビルから飛び降りて磁力を使いながら下の道路へとゆっくり着地する。
 すると、


 ガシャン、ガシャン、ガシャン。


 今まで戦っていた犬型のロボットが、まるでこの先へは行かせまいと美琴の前を立ちふさがった。
 数は一一機。電撃も、砂鉄も、ハッキングも、超電磁砲も通用しないロボットが。
 犬型ロボット達の遥か後方に居る打ち止めの姿がどんどん小さくなっていく。
 美琴の周囲に今までとは比べ物のならない出力の電撃が撒き散らされる。



美琴「――ジャマをぉ、するなぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!」



 莫大な電流により、信号機のランプは割れ、ビルのガラスは砕け、路肩に停めてあった車が爆発した。


―――
――






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