結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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710: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/01(土) 11:55:03.00 ID:31eSI50lo


 警戒音が鳴り響く少年院の廊下。上条当麻とA子と名乗る黒髪少女、そしてその少女の周りをゾロゾロと武装した男たちが歩いている。
 最初は一人だった少女の配下の警備兵は、今となっては一〇人という大所帯となっていた。
 ここにいる職員は、第五位のチカラにより少女の命令を聞く人形となっている。そのため、警備兵とのエンカウント=新メンバー加入ということになるのだ。
 だが、その警備兵の中には外部からの侵入者も含まれているらしく、そのものたちは洗脳から逃れている。
 そういった相手はここまで来るのに三人ほどいたが、他の洗脳戦士たちのおかげで容易に迎撃してくれた。


上条「…………」


 上条は難しい表情のまま廊下を歩く。何かを考えているような様子だった。
 それを見た少女が、


A子「何か考え事かしらぁ? そんなシリアスな顔しちゃってぇ、似合ってないんだゾ☆」

上条「なっ、失礼な! 上条さんにだってそういう顔をするときもあるんだっつーの。つーか、似合ってないとか言えるほどテメェとは付き合いねえだろうが!」

A子「…………」

上条(……あれ? さっきみたいな余裕綽々な感じで何か言い返してくると思ったんだけど)


 もしかして強く言い過ぎたのか、と上条は少し戸惑った。
 いくら能力の制御下にあるとはいえ、武器を持った男に真っ向から向かっていくようなヤツだからなおさらだ。
 少女はクスリと笑い、


A子「冗談よ冗談♪ ところで一体何をそんなに考えていたのかしら?」

上条「あ、ああ。ちょっとな……いや、なんでもねえや」


 そう言って上条は流した。さっきまでの暗い表情へと戻る。
 少女はその煮え切らない態度に対してムッとした表情をした。


A子「ちょっとぉ、何でもないとか言って、そういう感じに戻るのは個人的にナシだと思うんですケドぉ?」

上条「わ、悪りぃ」

A子「これから結標さんを助けに行こうってときにそんなんじゃ、助けられるものも助けられなくなっちゃうんだゾ☆ いっそのことゲロっちまったほうが楽になれると思うんですケド」

上条「女の子がそんな汚い言葉使っちゃいけません」


 上条はそう言いながらも納得した様子を見せた。
 そしてそのまま内心に留めていたことを口に出す。


上条「ここに来てからずっと考えてたことがあるんだ。俺ってここに何しに来たんだろう、って」

A子「……へー」

上条「あっ、テメェせっかく打ち明けたのにその目は何だその目は!」


 ジトーと上条を馬鹿にしたような目付きで少女は睨む。





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