22:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:20:38.69 ID:qe4+sBJv0
「ハネ……」
「……ネおねえちゃ……」
薄く光が刺す方向から声が聴こえてくる。
23:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:21:30.60 ID:qe4+sBJv0
「別にいいわよ。今度から無くさないようにしなさいよ。」
顔が赤いところを気取られたくないのか、ヨハネはぷいっと顔を背ける。
「ねぇねぇヨハネお姉ちゃん、せっかくだから遊ぼうよ!」
24:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:22:02.73 ID:qe4+sBJv0
「もう疲れた……きゅうけいさせて……」
「えー?まだ遊び足りないー!」
「勘弁して……もう2時間もぶっ続けで遊んでんのよー!」
25:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:22:38.50 ID:qe4+sBJv0
*
26:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:24:31.27 ID:qe4+sBJv0
「花丸、遅いわねぇ……」
まだ外は明るくても、もう時刻は17時を過ぎている。
6歳になった女の子が一人で出歩くには遅い時間だ。
27:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:25:03.48 ID:qe4+sBJv0
*
28:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:25:40.15 ID:qe4+sBJv0
扉を開けて、オレンジ色の灯りの中に花丸が消えていくのを確認すると、ヨハネはほっと胸を撫で下ろした。
今は夏だ。
森の中からは時折、おどろおどろしい獣の声が聞こえてくる。
29:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:26:08.19 ID:qe4+sBJv0
それから、花丸は時折ヨハネの元を訪れるようになっていた。
ヨハネが眠そうに瞼を開ける頃には、根の上でつま先立ちをした花丸が、ぴょこぴょこ跳ねながら自分を見上げていた。
「今日も来たの?」
30:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:27:36.80 ID:qe4+sBJv0
2人はいつしか毎日のように遊ぶ仲になっていた。
花丸はヨハネが知らない子供の遊びやお話をたくさん知っていたし、ヨハネは花丸が知らない獣道や空の景色をたくさん知っていた。
「花丸の体力に、ついていくの、しんどすぎよ……」
31:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:28:09.80 ID:qe4+sBJv0
「ねぇ、ヨハネちゃん。」
「なによ。」
「せっかくだから、2人でなんかお揃いのアクセサリー作ろうよ!」
32:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:28:49.41 ID:qe4+sBJv0
「圧巻の景色ね……」
「すごーい!綺麗ずらー!」
昼ご飯を食べ終わった2人は、一面のシロツメクサに覆われたシロツメクサの花畑にいた。
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