花丸「私の天使」
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23:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:21:30.60 ID:qe4+sBJv0
「別にいいわよ。今度から無くさないようにしなさいよ。」

顔が赤いところを気取られたくないのか、ヨハネはぷいっと顔を背ける。

「ねぇねぇヨハネお姉ちゃん、せっかくだから遊ぼうよ!」

「遊ぶって──」

突飛なことを口走る花丸を見て、ヨハネはきょとんとしたような顔つきになる。

「あなた私が怖くないの?」

「怖くないよ?」

「この翼や尻尾を見ても?」

「かわいいずら。」

矢継ぎ早に質問してもぽんぽんと即答される様を見てやれやれと首を振る。

(可愛いねぇ……)

自分には似つかわしくないと思っていたこんな単語が、こんな小さな子から聞けるなんて、ヨハネは思いもしなかった。

「ねえ、遊ぶずら〜」

「わかったから引っ張らないの!」

「じゃあ、かくれんぼね!ヨハネちゃんがおに!」

やいのやいの言いながら森の中に消えていく花丸を見つめ、ヨハネは一つ溜息をつく。

自分の口角が自然と上がっている様を自覚し、少し気恥ずかしい。

こんな戯れ事、すぐ飽きるだろう。

「もーいいかーい」

遠くから、もーいいよーと声が聴こえてくる。

(この森を熟知してる私に勝負を仕掛けるなんてね……)

ちょっと手を抜いてやるか、なんて思いつつ、わざとらしく探し回ってあげる。



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