花丸「私の天使」
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29:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:26:08.19 ID:qe4+sBJv0
それから、花丸は時折ヨハネの元を訪れるようになっていた。

ヨハネが眠そうに瞼を開ける頃には、根の上でつま先立ちをした花丸が、ぴょこぴょこ跳ねながら自分を見上げていた。

「今日も来たの?」

嬉しい気持ちを隠して、わざと澄ましたような顔をする。

「今日はね、おばあちゃんがお弁当作ってくれたずら!」

「あんた、なんて言ってここに来たのよ。普通、お弁当なんて持たせないわよ。」

「友達と遊んでくるって言ったら、お弁当持たせてくれたずら。」

「可愛い顔してなかなか策士じゃない。」

「えへへ……事実だもん。」

綺麗に包まれた小さなお弁当箱を突き出す花丸は、してやったりという表情をしている。

「まったく……毎日毎日、よくこんな場所に来て飽きないわね。」

「えへへ、ヨハネちゃんと遊ぶの楽しくて。」



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