黒埼ちとせ「進化論」
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39:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:17:32.55 ID:W5lmC8VA0
「う〜ん」

 何かはあるんだけど、それを言語化できずにいる。
 それを彼に悟られるのは何となくバツが悪くて、私は曖昧な返事でお茶を濁した。

以下略 AAS



40:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:19:47.67 ID:W5lmC8VA0
「よし、間に合ったか」

 振り向くと、魔法使いさんがやけに力のこもった様子で頷いていた。

「この番組、好きなんだ。
以下略 AAS



41:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:22:53.93 ID:W5lmC8VA0
『コンニチワー☆』
『フレデリカさん、今日は聞きたい事があります。
 最近、とある事がどうしても気になってしまうあまり、夜しか眠ることができません』
『夜眠れるのは別に普通じゃない?』
『フレデリカさん、唐突にマジレスすんのビックリするからやめて』
以下略 AAS



42:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:25:07.65 ID:W5lmC8VA0
「面白いだろ?」

 後ろから、魔法使いがクックッと笑う声が聞こえる。

「ごめん、ちょっと話しかけないで」
以下略 AAS



43:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:28:38.76 ID:W5lmC8VA0
『あー、昔のキリンさんは、今ほど首が長くなかったんだ?』
『そうそう!
 たぶんパパが子供の頃、買ってもらった風船が高い所に引っかかっちゃって、
 うぇーん、ダディー、風船が飛んでっちゃったよー、って泣いても、その時のパパのパパは首が長くなくて、
 おぉぉマイサン、すまない、私ではどうすることもできないのだよ、なんて』
以下略 AAS



44:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:30:38.97 ID:W5lmC8VA0
『あっぶなぁ〜。咄嗟にあたし渾身の激寒ギャグを出しちゃったわぁ〜』
『あ、そっかー☆ これ言っちゃいけない話だったね、ゴメンゴメン』
『フレちゃん、そんな話よりも美嘉ちゃんのさ、この間のファミレスの話でもしたらどう?』
『えっ、ミカちゃん?』
『ほら。タバスコモリモリのピザを志希ちゃんに食べさせられて、お婆ちゃんみたいな喋り方になった話』
以下略 AAS



45:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:33:03.62 ID:W5lmC8VA0
「無闇に殺しちゃうのは、可哀想だよ」

 千夜ちゃんなら、彼よりも手際よく始末しちゃうんだろうなぁ。
 そんな事を考えながら、私はそばにあったコピー用紙を一枚取り、その子をその上へ招き入れる。

以下略 AAS



46:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:37:03.43 ID:W5lmC8VA0
「……あぁ。なんかで見た記憶があるな」

 何で今その話をするんだ、って顔に書いてある。
 本当に、呆れるくらい正直な人。

以下略 AAS



47:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:39:22.10 ID:W5lmC8VA0
 彼は手を止め、私を見上げた。

「お前や千夜を、トップアイドルに育て上げることだ」
「それは、あなたのプロデューサーとしての仕事の話でしょう?」

以下略 AAS



48:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:40:55.41 ID:W5lmC8VA0
「何かあったのか?」

 心配そうに、あるいは少し、臆病そうに、彼は再度問いかける。

 私なんかのために、いちいち真に受けてくれるの――ほんと、おっかしい。ふふっ。
以下略 AAS



49:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:43:35.91 ID:W5lmC8VA0
 いつの間にか、フレデリカちゃんの番組は終わっていたみたい。

 ラジオは今、過払い金がどうとかいう何とか法律事務所のコマーシャルを流している。
 魔法使いさんがしょっちゅう流すから、私まで覚えちゃった。

以下略 AAS



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