49:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:43:35.91 ID:W5lmC8VA0
いつの間にか、フレデリカちゃんの番組は終わっていたみたい。
ラジオは今、過払い金がどうとかいう何とか法律事務所のコマーシャルを流している。
魔法使いさんがしょっちゅう流すから、私まで覚えちゃった。
「……考えもしなかった壁への答えが分からなくて、焦っているってところか」
「そうなんだと思う」
彼は椅子をギィッと鳴らし、天井を見上げた。
「俺も、自分の使命なんて、これまで考えもしなかったよ」
「それなら、今考えて?」
「お前はいつも無茶ぶりだな」
うーん、と腕組みをしながら、彼は唸りだした。
「大それたものでは、きっとないな」
「じゃあ、どうでもいいこと?」
「だからと言ってそれじゃ……寂しい気もする」
苦笑してないで、マジメに考えてよね。
あともう少しで、答えが出てきそう。
さっきのフレデリカちゃんが言っていたことも、何だか引っかかっていて、ヒントになりそうなんだけど――。
「たとえば、そうだなぁ……車を買う、とか」
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