46:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:37:03.43 ID:W5lmC8VA0
「……あぁ。なんかで見た記憶があるな」
何で今その話をするんだ、って顔に書いてある。
本当に、呆れるくらい正直な人。
「変わらないことがあるとすれば、皆、変わっていくってことじゃないかな」
「……ちとせ?」
ゴキブリのように完成されたものなんて、この世界にどれだけあるだろう。
まして人の想いなんて、数十年と待たず簡単に、絶え間なく変容し続ける。
公園のモニュメントが、男の子から女の子に変わっていくように。
「変わらないものが尊ばれ、あるいは珍しがられるのだとしたら……。
あらゆるものは皆、変わっていくのが自然なのかなぁって」
「今日は随分、難しい哲学をするんだな」
「ふふっ……哲学ついでに、聞きたいことがあるの」
椅子に座り、仕事を再開しようとパソコンを立ち上げた彼を、私は引き留める。
また意味深で訳の分からないことを言い出したレディの相手を、片手間で済ませようなんて、失礼なんだから。
「あなたの使命はなぁに?」
「使命?」
90Res/81.70 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20