黒埼ちとせ「進化論」
1- 20
47:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:39:22.10 ID:W5lmC8VA0
 彼は手を止め、私を見上げた。

「お前や千夜を、トップアイドルに育て上げることだ」
「それは、あなたのプロデューサーとしての仕事の話でしょう?」

 私は歩み寄り、彼のデスクの縁におざなりに腰掛ける。

「私が聞きたいのは、あなたの使命。
 あなたという個人の、人間としての」


 魔法使いは、いつになく真剣な顔をして、私の目をじっと見つめた。

「……何をそんなに焦っているんだ、ちとせ」
「えっ?」

 虚を衝かれたような心持ちになり、思わず言葉を失う。


「…………」


「……焦っている、か……そうかもね}

 私は一人でかぶりを振り、自嘲じみて小さく笑った。


「言ったかな……私、長くないと思うの。
 だから、今が楽しければいい。私には、未来が無いから。
 私の代わりに、未来を生きてくれる千夜ちゃんがいてくれたら、他に何もいらない。
 そう、思っていたのになぁ」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
90Res/81.70 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice