白雪千夜「私の魔法使い」
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93:25/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 21:21:01.45 ID:ldlfMP+C0
「……千夜は、元気か? 疲れてるんじゃないか」

 ちとせのことに触れないのも不自然だが、実際千夜も心身ともに参っているはずだ。

「お前の方こそ……。お嬢さまも、心配しておられた」
以下略 AAS



94:25/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 21:21:54.45 ID:ldlfMP+C0
「なのにお前は、私に消えない炎を灯した。お嬢さまが主役でそれを支えるのが私の人生……そんな物語でよかったはずなのに。お前は私に、お嬢さまに! 心が燃え盛るような新しい物語をくれた……!」

 プロデューサーの胸元に手を付き、そのまま頭も埋もれさせていく千夜。悲鳴にも似た叫びがプロデューサーの芯まで穿っていく。

「これからだっていうのに! 私に生きる意味をくれた人に、私は何もしてやれない……。どうして私の周りからは、大切なものが燃え尽きていってしまうんだ……!」
以下略 AAS



95:25/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 21:23:05.31 ID:ldlfMP+C0
「……。もう少し、言い方は……なかったのですか?」

「いいんだよ! ここで格好がつく人間だったら、1人で老け込んだりしてないさ」

 抱き寄せるのをやめ、千夜の顔が見えるように胸元からゆっくりと離した。
以下略 AAS



96: ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 21:24:01.31 ID:ldlfMP+C0
25.5/27



 覚悟は決まった。あとはやるべきことをやるだけだ。
以下略 AAS



97: ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 21:25:03.56 ID:ldlfMP+C0
26/27



「緊張してる? それとも……ふふ。女の子の部屋に入ってくるなんて、魔法使いさんは悪い人だね」
以下略 AAS



98:26/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 21:26:20.28 ID:ldlfMP+C0
「それじゃあ今度はあなたの番。千夜ちゃんのこと、好き?」

「それは……」

 調子が戻っていないとしても、この瞬間だけは紅い瞳から逃れられない。そんな予感がした。
以下略 AAS



99:26/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 21:27:34.03 ID:ldlfMP+C0
「そろそろ、行こっか。私をエスコートしてくれる?」

「……ああ。魔法使いなんかでよければ」

「魔法使い兼、馬車のお馬さん兼、王子様役、だね。これからも大変そう♪」
以下略 AAS



100:26/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 21:28:29.61 ID:ldlfMP+C0
「これ、あの子に届けてほしいんだ。持っててくれるだけでいい、私の代わりにこの子が千夜ちゃんのそばにいてくれたらなぁって」

「自分で渡せばいいじゃないか……そのぐらいの時間は」

「いいからいいから♪ あなたに預けておけば安心できるから、ね?」
以下略 AAS



101:26/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 21:30:11.30 ID:ldlfMP+C0
 多くの出演者とその関係者が慌ただしく入れ替わっていく中、1人静かに千夜は控え室で自分の出番を待っていた。

 『Velvet Rose』としての出場登録は変更されないままきており、初めてその名を見聞きする聴衆には千夜1人が舞台に出ても、違和感を抱かないだろう。

 それでも千夜はちとせの分まで舞台に立とうとしている。2人のための楽曲は随分と1人用にアレンジされてレッスンしてきたが、その心までは変わらない。
以下略 AAS



102: ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 21:31:45.36 ID:ldlfMP+C0
27/27



 事務所の自室で1人、プロデューサーは茫然自失になりながらデスクで千夜からの連絡を待っていた。
以下略 AAS



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