103:27/27 ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 21:33:21.09 ID:ldlfMP+C0
そうして千夜までもいなくなってから、何度も連絡を取れないか持たせてある携帯電話へメールも電話も試してみたが、千夜からの応答はまだ無い。
回収してある千夜が会場に残していったものはちひろに管理してもらい、いつ千夜が事務所に戻ってきてもいいよう、会場を後にしてから今に至るまでプロデューサーは事務所の部屋で待機している。
さっき夜が明けたばかりのはずが、既に西日が差し込んできていた。
104:27/27 ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 21:34:29.27 ID:ldlfMP+C0
そこにいたのが求めていた人物ではなかったからか、とっくに涸らしていただろう涙の跡にまた雫が流れていく。頬をつたった涙が2つのネックレスへとこぼれていく。
「…………。お前がここに来たということは……お嬢さまはもう、戻ってこないのですね?」
掠れ切った千夜の声が胸に深く突き刺さる。憔悴しきった目の前の少女が、昨日あれだけのLIVEをこなしたアイドルとは到底思えない。
105: ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 21:35:41.54 ID:ldlfMP+C0
27/0
白へと落ちていった先には、黒が待っていた。
106:27/0 ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 21:37:03.67 ID:ldlfMP+C0
一転して、あの全てを見透かすような瞳になった。やっと記憶にあるちとせの雰囲気に近付いてきたが、それはそれで緊張する視線でもある。
「大丈夫、もう取って食べようなんて思ってないから。そんな寂しそうな顔されてても美味しくなさそうだし、ねっ」
早くも見透かされたものの、この瞳さえあれば何とかなるような気がしてくる。何とかしなくては、悪夢は覚めないままになってしまう。
107:27/0 ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 21:38:16.62 ID:ldlfMP+C0
翌日、プロデューサーは朝早くから事務所の自室に訪れていた。
部屋にアイドルの痕跡が何もなくなった時間へと戻ってくるのはこれが初めてなので、失ったものの大きさに胸が押し潰されそうになる。何度失くしては拾い上げてきたかも覚えていない。
108: ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 21:40:31.07 ID:ldlfMP+C0
27/0.5
お嬢さまの指示により、足を運んだ先は芸能事務所だった。
109: ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 21:51:50.55 ID:ldlfMP+C0
なんとか生誕祭に間に合わせたかった……疲れた……
なんでこんな長くなっちゃったんだろう……千夜好き……ちとせも好き……
一応続きとか考えた上でのこれなんで、余力があれば11/10までにまた書きたいですね
110: ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 21:52:44.23 ID:ldlfMP+C0
あ、それと別スレ放置したままでした……ごめんなさい
111:名無しNIPPER[sage]
2020/02/05(水) 00:55:39.17 ID:0Jdck1vAO
乙。
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