白雪千夜「私の魔法使い」
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61:16/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 20:35:07.55 ID:ldlfMP+C0
「……1000円になります。他に何か欲しいものは」

 声量を抑えながら、しかし押し売りは再開される。

「増えた!? でも500円でそう呼んでくれるな、ら次から払ってみようかなあ」
以下略 AAS



62:16/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 20:36:13.27 ID:ldlfMP+C0

 アニバーサリーイベントのメインを飾る舞台を、プロデューサーは観客席から全容を眺めることにした。

 なにせ9人がステージに上がるのだ。事務所の方針でユニットは多くとも5人で結成されるため、こんな機会はなかなかこない。自分が手掛けた企画でもないので、1人のファンとして楽しめる数少ないチャンスでもある。

以下略 AAS



63:16/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 20:37:51.48 ID:ldlfMP+C0

 メインステージも大盛況となり、大きな余韻を残しながらアニバーサリーイベントは幕を閉じた。

 軽く挨拶回りをし――アイドルを引き継いでもらっている同僚には何度も頭を下げつつ――今は選抜メンバーの販売ブースのあった付近でベンチに座っている。

以下略 AAS



64: ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 20:39:11.60 ID:ldlfMP+C0
16.5/27


「どんな話をしてるんだろうね、魔法使いさんたち」

以下略 AAS



65: ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 20:39:57.78 ID:ldlfMP+C0
17/27




以下略 AAS



66:17/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 20:41:03.79 ID:ldlfMP+C0
「大変、よいことと、存じます?」

「ふっ、この程度の演技でも騙せるものなのか。勉強になりました」

「あっこら、俺を使って演技力を試すなよ!」
以下略 AAS



67: ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 20:42:06.52 ID:ldlfMP+C0
18/27




以下略 AAS



68:18/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 20:43:14.98 ID:ldlfMP+C0
「うん、だけどいつもちとせと一緒とは限らない。僕ちゃんとしてじゃない時のアイドル白雪――いった、ごめん! 口が滑った!?」

 うっかり禁句を言ってしまい、ぐりぐりと胸元を押し潰される。ちょうど懐中時計がしまってあったところを押されたため威力は絶大だった。千夜も手に違和感を覚えたようだ。

「そう呼んでいいのはお嬢さまだけとあれほど……。それより、何を隠し持ってるんですか」
以下略 AAS



69:18/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 20:44:39.62 ID:ldlfMP+C0
 先が長くないというのはちとせの自己判断でしかないとはいえ、未来は誰にもわからない。佳人薄命という言葉もある。か弱い身体で生きてきたちとせだからこそ感じる、迫りくる死への予感があるのかもしれない。

 千夜には先が長くないということを隠している手前、話題運びとしては二重に失態を犯している。どうにか切り替えなくては。

「……お嬢さまは」
以下略 AAS



70: ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 20:46:08.36 ID:ldlfMP+C0
19/27



 悪い予感とはどうにも当たるように世界は構築されているのか、時間になっても事務所に訪れない2人を定期報告に来ていたちひろと待ち呆けていると、僅かな時間差でメールが2通届いた。
以下略 AAS



71:19/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 20:47:50.73 ID:ldlfMP+C0

 タクシーを降りたプロデューサーはエントランスのインターホンで千夜にロックを解除してもらい、晩餐会のあった夜を思い出して土地勘の薄い建物を進む。

 エレベーターで目的の階層に着くと、千夜の姿はなかった。部屋番号は覚えているし、2人で往復した記憶を遡れば迷わず真っ直ぐに辿り着いた。

以下略 AAS



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