小日向美穂「グッバイ、ネヴァーランド」
1- 20
60: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 01:23:08.30 ID:nY0iWbpOO
「ここって朝来たんじゃなかったの?」

 肇が行きたがっていた場所はショッピングモールだった。でも朝美穂以外のみんなは亜季の運転で水着を買いにきたはずだけど……。

「……その、あまり他の人に聞かれたくないと言いますか……私もできることなら信じたいんですが」
以下略 AAS



61: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 01:23:45.07 ID:nY0iWbpOO
「それともう一つ。思い出したのはついさっきなんですけど……最近山紫水明で活動してた時、芳乃さんが言っていたんです。何か良からぬ気が近づいていると」

「良からぬ気……? いきなりオカルトな話になってきたな」

 いや、今俺たちがいる状況がオカルトそのものなんですけどね。
以下略 AAS



62: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 01:24:20.58 ID:nY0iWbpOO
 肇は優しい子だ。いや、彼女だけじゃない。うちの事務所のアイドルはみんな個性的でクセがあって中には尖に尖った子もいるけど、シンデレラの冠がつくように心優しい子ばかりだ。だからこそ、そんな優しい子の中に人を石にして時間と空間をも自在に弄ぶ悪魔が紛れているなんて考えたくもなかっただろうに。

「よく言ってくれたね肇。ありがとう、俺も気を付けておくよ。さてと、何も買ってこないんじゃみんなに怪しまれるな」

 どうせなら楽しいものを買って帰ろう。夏、楽しいもの楽しいもの……。
以下略 AAS



63: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 01:25:02.91 ID:nY0iWbpOO
「プロデューサーさん、肇ちゃん! どこ行っていたんですか」

「いや、悪い悪い。せっかくの夏なんだし、これ買っとかなきゃと思ってね」

「花火だー!」
以下略 AAS



64: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 01:25:48.32 ID:nY0iWbpOO
「しかし寮の中にバーベキューセットがあったとはね」

「前に女子寮のみんなでバーベキューパーティーをやったんです。その時買ったんですよ」

 海で遊び倒して空かしたお腹を満たすなら、やはりバーベキューだろう。肉を焦がす香ばしい匂いとジュージューと焼ける音はここにいる全員に等しく食欲を配っていく。
以下略 AAS



65: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 07:14:22.83 ID:nY0iWbpOO
「五十嵐家特製のバーベキューソースですっ! プロデューサーさんも使いませんか?」

「特製? 普通のと何が違うんだろう」

 フンスと鼻息は大きく自信ありげな様子だ。さて如何な物かと肉につけて口に入れる。
以下略 AAS



66: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 07:14:54.38 ID:nY0iWbpOO
「たーまやー!」

「かーぎやー!」

 市販の打ち上げ花火だから星空まで高く咲くわけじゃないけど、やっぱり轟音と共に花火が広がる音はいくつになってもテンションが上がる。周りに誰もいないのをいいことに俺たちは夜遅くまで花火に興じた。近所迷惑だー! と怒鳴り込んでくる人がいたらいたで俺たちにとっては朗報だし、そういった意味もあって娯楽とサバイバルを兼ねているのだ。
以下略 AAS



67: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 07:15:26.75 ID:nY0iWbpOO
「部屋の中で寝てて良かった」

 12月15日がリセットされた朝、外は雪は降っていないが吐く息が白くなるくらいには寒く冬が訪れたようだった。前もそうだったけど夏が来た後は秋をすっ飛ばして冬が来るらしい。

「俺まで風邪ひいたら不味かったもんな。ほら、美穂」
以下略 AAS



68: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 07:16:06.64 ID:nY0iWbpOO
「ふふっ」

 慌てる俺を美穂は笑うけどその声に元気はない。

「ねえ、プロデューサーさん」
以下略 AAS



69: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 07:17:22.50 ID:nY0iWbpOO
「なぁ、芳乃。君は一体何があったんだ」

 帰ってきた亜季から薬をもらい美穂の部屋の中に入れておく。扉を開けることがしても彼女は気付かないくらいに深い眠りについていた。みんなは寮にいても退屈だという事で、加蓮の提案で遠くまで遊べそうなところを探しに行っているそうだ。つまりこの寮にいるのは俺とおやすみ中の美穂、そして石像となった芳乃だけ。窓のカーテンは閉まっていて暗くなった部屋の中、ポツンと立っている芳乃は寂しそうに見えた。

「肇も悠貴も心配してる。でもどうすりゃ良いんだ……?」
以下略 AAS



70: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 07:18:27.74 ID:nY0iWbpOO
「いや、待てよ」

 芳乃は肇に何かが起きそうな事を話していた。予め何か知っていたのなら、俺たちに対してヒントを残してたりやしないだろうか。万が一自分の身に何かあったとしても、対処できるように。

「……すまん芳乃、ちょっと探させてもらうよ」
以下略 AAS



143Res/165.23 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice