小日向美穂「グッバイ、ネヴァーランド」
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71: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 07:19:08.92 ID:nY0iWbpOO
「昨日はすみません、熱出してみなさんに迷惑かけちゃって」

「気にしないで美穂ちゃん。私たちが体調悪くしたら、その時はお願いね」

「うん。卯月ちゃん、ありがとうね」
以下略 AAS



72: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 07:19:58.51 ID:nY0iWbpOO
「ではこれより射撃訓練を始めます、! ここでは私が教官であります! 話しかけられた時以外口を開くな! 分かりましたか!?」

「イエスマム!」

「……何やってんだ?」
以下略 AAS



73: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 07:20:27.02 ID:nY0iWbpOO
「卯月ちゃん焼けたね」

「えへへ……日焼け止め塗ってもちょっと焼けやすいみたいです」

「ほら、美穂ちゃんも一緒に泳ぎましょう!」
以下略 AAS



74: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 07:21:07.75 ID:nY0iWbpOO
 そして一晩あければ冬が来る。寝る前シャワーを浴びたらヒリヒリすると言っていた卯月もいつもの肌に戻っている。窓の外は大雪で一寸先すら見えない。とてもじゃないけど外で遊ぼうって気にはならなかった。

「それで芳乃の部屋から何か見つかった?」

 各々時間を適当につぶして夜になる。俺と肇は寮の中にあった囲碁をパチパチと打ちながら芳乃の部屋の話をしていた。あの時加蓮が現れたから打ち切ったけど、芳乃の部屋の中にまだ何かあると俺は見ていた。そこで彼女と交友が深く。部屋に入ってもおかしくない肇に芳乃が残したメッセージを探してもらっていたのだ。しかしことはそう簡単にはいかない。相手は嫌味な性格をしてる割には用心深いらしく、現状を打破出来そうなものはほとんど持っていかれたそうだ。もしかしたら俺たちが強制的に眠ってしまう間に芳乃の部屋を漁ってたりするんじゃないか?
以下略 AAS



75: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 07:23:47.78 ID:nY0iWbpOO
「肇は知らないかもしれないけど、昔俺がプレイしたゲームに真実の姿を表す鏡があったんだ」

「真実の姿、ですか?」

「言ってしまえばモンスターがいくら上手に化けてしまおうが、コイツが写せば立ち所に真実の姿を晒すってやつなんだけど」
以下略 AAS



76: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 07:24:18.45 ID:nY0iWbpOO
 思いもよらぬ言葉が飛んできた為びっくりして声が大きくなってしまう。なんだなんだとみんなが俺の方を見る。

「う、現川焼!」

「ええ? き、キツツキ?」
以下略 AAS



77: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 07:24:53.47 ID:nY0iWbpOO
 ふと頭に浮かんだ推測を言うべきか悩んだが、とりあえず前に進むためにも話した方が良さそうだ。

「いや、ほら。古い鏡ってことは長い年月の間に魔翌力やら妖力がなくなっちゃったってことでしょ? つまりなんらかの方法でその魔翌力を貯めなおせば……例えば」

「例えば?」
以下略 AAS



78: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 07:25:49.43 ID:nY0iWbpOO
「うん……? 卯月?」

「はい? 呼びまし」

「そうだ! 月だ!」
以下略 AAS



79:11 ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 07:27:18.39 ID:nY0iWbpOO
 それからどれほどの朝と夜がやってきただろうか。満月の夜はなかなか訪れず、その度に俺と肇はため息をつき眠りにつく。そして朝が来ては銃声と変な掛け声が飛び交う中夜を待ち、空を見上げて落胆する。枕につくときには明日こそ、と満月の夜が来ることを心から願うのだ。

「ふぅ……」

 スイカ割りをしたり捉えたはずの真鯛が暴れたり夜はスイカの皮の胡麻和えが意外に美味しかったり。夏休みの1日もそれが3日に一度訪れるのなら秋は来ずとも飽きが来てしまう。子供の頃は永遠に夏休みがあれば良いなと思っていたし、大人になった今でもずっと休みたいと思っていた。だけど結局のところ、休みというのは勉学や労働という生活の基盤たる義務の上に成り立つものだ。今ある仕事の日を全部休みにしたって行き着くところはずっと仕事をしているのと同じこと。終わらない休日なんて、いずれ苦痛に変わってしまう。この世界を仕掛けた犯人はそれを理解していないのだろう。良かれと思っていたのかは分からないけど、迷惑な話……
以下略 AAS



80:一旦ここまでにします ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 07:30:55.47 ID:nY0iWbpOO
「アッハッハ、まるで休日のお父さんとお母さんでありますな!」

「亜季さん!? もうお父さんとお母さんだなんて……」

「おーい、響子ー? 響子さーん?」
以下略 AAS



81: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 07:58:27.64 ID:sHF766Jg0
 五十嵐響子がどこにもいない。そのことに気付いたのは朝ごはんの時間になっても響子の姿が見えなかったから。あれだけご飯を作ることに楽しみの生きがいを感じていた彼女が何も残さずいなくなるなんておかしい。部屋の中にも入ったけど荒らされた形跡もなく、それどころか寝る前に飲んでいたのであろう少し残ったお茶のペットボトルがつい数時間前まで普通にいたことを示唆していた。

「響子ちゃん、どこに行ったんでしょう?」

「分からないけど……外、って事はないと思いたいな」
以下略 AAS



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