白雪千夜「足りすぎている」
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141:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 15:19:34.71 ID:1/ZkFkMM0
「それは、何よりです」
「アーニャの、恩人です。
 あの子にもらった明るい、優しい心を、アーニャはずっと、大切にしています」

 ――――。
以下略 AAS



142:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 15:21:52.35 ID:1/ZkFkMM0
 驚く私を見て、アーニャさんはクスッと笑った。

「スパシーバ、チヨ。
 でも、人を疑うより、信じる方が、楽しいですね?」

以下略 AAS



143:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 15:25:10.11 ID:1/ZkFkMM0
「お嬢様を、応援……」

 アーニャさんは頷いた。

「チヨの言うこと、分かります。
以下略 AAS



144:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 15:27:26.68 ID:1/ZkFkMM0
 合い鍵を使って部屋に入ると、奥に向かう廊下は真っ暗だった。
 電気をつけ、居間へと進むと、お嬢様は座椅子に腰を下ろし、背の低い丸テーブルに顔を埋めて眠っていた。

「お嬢様……」

以下略 AAS



145:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 15:29:32.97 ID:1/ZkFkMM0
 やはり、綺麗なお顔をされていると、改めて思う。
 こんなご無理をなさらずとも、お嬢様は十分美しい。

 ふと、アーニャさんの言葉を思い出した。
 お嬢様のフェスに向けた努力は、美城常務からの一方的な指示だけでなく、お嬢様ご自身が望んで決めたことであると。
以下略 AAS



146:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 15:33:41.43 ID:1/ZkFkMM0
 本州の、とりわけ雪とは無縁の地域に住む人がよく誤解をするのは、雪国は空気が乾燥することはないのではないか、ということだ。
 雪という水分にあれだけ覆われているのだから、本州と比べれば、空気には湿気があるのではないかと。

 しかし、そうではない。
 本州の雪と北海道の雪は、大きくその性質が異なる。
以下略 AAS



147:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 15:36:51.50 ID:1/ZkFkMM0
 お嬢様は、何をご覧になっていたのだろう。


 無粋な真似とは思いつつ、リモコンを操作して音を消し、巻き戻して再生ボタンを押した。

以下略 AAS



148:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 15:38:45.37 ID:1/ZkFkMM0
「……千夜?」


 振り返ると、凛さんが部屋の入口に立っていた。
 手には、お見舞いの品と思われる小包と、クリアファイルに入った書類が握られている。
以下略 AAS



149:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 15:40:59.73 ID:1/ZkFkMM0
「凛さんも、ですか」
「え……?」

「あなたなら、理解を示してくれると思っていました」

以下略 AAS



150:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 15:42:47.86 ID:1/ZkFkMM0
 しまった。
 お嬢様の部屋、小窓を開けっ放しにしていたのを思い出した。
 後で閉めようと思っていたのに、凛さんに気を取られてしまい、すっかり失念してしまっていた。

 急いで戻りたい所だが、また凛さんと鉢合わせになるのも煩わしい。
以下略 AAS



151:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 15:49:30.32 ID:1/ZkFkMM0
「でも、凜ちゃんは千夜ちゃんのお願いに「いいよ」って言ってあげなかったね」
「…………」

「あはは、ゴメンゴメン。気を悪くしないで。
 私を思ってのことだったって、分かってるよ。
以下略 AAS



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