白雪千夜「足りすぎている」
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144:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 15:27:26.68 ID:1/ZkFkMM0
 合い鍵を使って部屋に入ると、奥に向かう廊下は真っ暗だった。
 電気をつけ、居間へと進むと、お嬢様は座椅子に腰を下ろし、背の低い丸テーブルに顔を埋めて眠っていた。

「お嬢様……」

 テレビが付いたままになっている。
 画面が灰色な所を見ると、おそらくDVDか何かを観ていた最中だったらしい。
 レッスンを終えて自室に戻り、それを最後まで観ることなく、疲れきって眠ってしまったのだろうか。

「お嬢様、お身体に障ります。ベッドで寝ましょう」
「んぅぅ〜……」

 何とか体を起こし、肩を担いでベッドに寝かせた。
 この間、二人でライブのDVDを観た時は、お嬢様が私に布団をかけてくださったことを思い出す。

「ちよちゃん……」
「はい、白雪です。何も気にせず、どうかゆっくりお休みになってください」

「ちよちゃん……」

 起きた訳ではないようだった。
 うわ言のように私の名を数度口にした後、そのまますぅすぅと、再び眠りについていく。



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