白雪千夜「足りすぎている」
1- 20
145:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 15:29:32.97 ID:1/ZkFkMM0
 やはり、綺麗なお顔をされていると、改めて思う。
 こんなご無理をなさらずとも、お嬢様は十分美しい。

 ふと、アーニャさんの言葉を思い出した。
 お嬢様のフェスに向けた努力は、美城常務からの一方的な指示だけでなく、お嬢様ご自身が望んで決めたことであると。
 確かに、あの人はそう言っていた。

 なぜ、お嬢様はそのような過酷な道を――。


 ――部屋の空気が澱んでいる。

「少し、空気を入れ換えます」

 ベランダ側の掃き出し窓の上部にある小窓を少し開ける。
 サァッとカーテンがなびき、部屋の中に冷たく澄んだ空気が入ってきた。

 少し乾燥しすぎてしまうな。もう少ししたら閉めよう。

 手袋と、身にまとったインナーを、知れずキュッと握りしめる。


 冬は、とかく空気が乾燥するから嫌いだ。
 私の故郷、北海道ほどではないにせよ――いや、それを思い出すからこそ、冬は好きになれない。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
301Res/285.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice