白雪千夜「足りすぎている」
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151:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 15:49:30.32 ID:1/ZkFkMM0
「でも、凜ちゃんは千夜ちゃんのお願いに「いいよ」って言ってあげなかったね」
「…………」

「あはは、ゴメンゴメン。気を悪くしないで。
 私を思ってのことだったって、分かってるよ。
 千夜ちゃんに何も言わなかったのも、本当は同意したい気持ちと、私を尊重したい気持ちが綯い交ぜになって、整理がつかなかったからでしょう?」


 お嬢様、起きていたのか――。
 それに凛さんも、本当はお嬢様がご無理をなさっていることを、快く思っていないらしい。


「いや……ちとせの気持ちも分かるんだよ。でもさ」
「凜ちゃん、千夜ちゃんに言っていたでしょう?」
「えっ?」
「アイドルのライブは、信じられないような力が働くものなんだ、って……。
 それ、本当なんだなぁって、千夜ちゃんのステージを見て分かったの」


 体が強張る。
 お嬢様が、私のステージを見て、一体何を――?


「あ、凜ちゃんが千夜ちゃんを助けたのを指してそう言ってるんじゃないよ?
 私は、あんなに楽しそうな千夜ちゃんを見るの、初めてだった……ううん、久しぶりだった、だね。
 自分は無価値だと公言して憚らなかったあの子が、良い仲間を持って、すごい力を発揮しているのを、肌で感じることができたの。
 黒埼家に仕える以外の生きがいを、千夜ちゃんに与えたくて、魔法使いさんの力を借りてアイドルという情熱の火種をあの子に示したんだけど、それは上手くいったみたい。
 フフッ……そう、うまくいき過ぎたの。まさかその炎が、誰かに燃え広がるものだなんて知らずにね」



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