白雪千夜「足りすぎている」
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150:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 15:42:47.86 ID:1/ZkFkMM0
 しまった。
 お嬢様の部屋、小窓を開けっ放しにしていたのを思い出した。
 後で閉めようと思っていたのに、凛さんに気を取られてしまい、すっかり失念してしまっていた。

 急いで戻りたい所だが、また凛さんと鉢合わせになるのも煩わしい。
 二の足を踏んでいた所へ、声が聞こえた。


  千夜の言うことも、正しいよ――。


「! ……」

 外から聞こえてくるらしい。
 私はそっと窓を開け、ベランダに出た。


「体を壊したら、元も子もないんだから……あまり、頑張ればいいってものでも、ないと思う」


 やはり、凛さんの声だ。
 換気のために開けた小窓から、話し声が聞こえてくる。
 私は、ベランダの隔て壁のそばに立ち、そっと息を殺して聞き耳を立てた。



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