白雪千夜「足りすぎている」
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147:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 15:36:51.50 ID:1/ZkFkMM0
 お嬢様は、何をご覧になっていたのだろう。


 無粋な真似とは思いつつ、リモコンを操作して音を消し、巻き戻して再生ボタンを押した。


「……これは」

 アイドルのライブのDVDだった。
 随分と、引きの画だな。客席側から撮ったものらしいが、手ぶれも激しいし、画質もそれほど綺麗じゃない。
 まるで一昔前のホームビデオのような映像だ。

 だが、よくよく目を凝らしてみると、どうも見覚えのあるステージであることに気づく。
 そして、その上にいるのはアーニャさんと――私。

「誰が、こんな映像を……」

 明らかにこれは、先日のサマーフェスだ。
 なぜか、急に私の方へズームされていく――恥ずかしい。

 しかし、察しがついた。
 おそらく、これは黒埼のおじさまが撮影したものだ。
 たぶん、スマートフォンではなく、昔から使用されているご自身のビデオカメラで。

 おじさまのカメラは、即興ラブライカの後、そのままシンデレラプロジェクト全員でのステージを残している。
 しかし、フォーカスするのは専ら私の姿ばかりだ。
 凛さんが私をさり気なく助けたシーンも、バッチリ映っている。

 おじさまが、私を――そして、お嬢様も、私のことを――。



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