エミリーが忘れた日
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24: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 20:49:34.03 ID:9pdDfgPfo
 


ちょうど週の明けた数日後、765プロの事務所宛に巨大な段ボール箱が届いた。
男の俺ですら一人で抱えきれるか分からない。まさかこんなサイズで届くとは。
以下略 AAS



25: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 20:50:55.46 ID:9pdDfgPfo
 
「Wow...!」

何冊、否何十冊とも数えられる大小さまざまな本。
背表紙付きの分厚いハードカバー本──タイトルに“English‐Japanese Dictionary”と読める──や、
以下略 AAS



26: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 20:52:54.66 ID:9pdDfgPfo
 
「そうだよ。 これなら、頑張って日本語を勉強していた昔の思い出とリンクして、言葉そのものも思い出しやすくなるんじゃないかと思ってな」
「?」
「つまりだな……エミリー。 俺たちと一緒に、もう一度、日本語の勉強をしてみないかってことなんだ」

以下略 AAS



27: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 20:54:56.34 ID:9pdDfgPfo
 
軽い話し合いだけ済ませた結果、明日からエミリーはしばらく劇場ではなくこちらの事務所のほうに通って、
時間を決めてこの教材たちを使って“復習”していくことになった。
伊織も通常の仕事の合間を縫って、できるだけこちらに顔を出してエミリーに付き合う気マンマンといったところだ。

以下略 AAS



28: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 20:56:04.02 ID:9pdDfgPfo
 
「もともとお父様は、エミリーを一旦故郷へ帰すつもりだったらしいので。 エミリー本人にはまだ伝えてないようですが」
「……そうなんですか」
「まあ、それも仕方のないことです。 きっと誰よりもエミリーのことを心配しているでしょうし、
 向こうに住んでる他のご家族もこのことを知ればそりゃ帰って来てもらいたいに決まってます」
以下略 AAS



29: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 20:58:14.27 ID:9pdDfgPfo
 
──────

以前一度だけ、エミリーに尋ねてみたことがある。

以下略 AAS



30: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 21:00:54.74 ID:9pdDfgPfo
 
「伊織さまは、私に本当に良くして下さっています。
 時には厳しいご指導もありますが、それもとてもありがたいんです。
 きっと、日本という異国で努力を続けるためにはもっとたくましくいるように、というお心の顕れなのだと信じています」
「そうか。 伊織のこと尊敬してるんだな」
以下略 AAS



31: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 21:03:47.33 ID:9pdDfgPfo
 


いつの間にか傾いた日差しがデスクを黄色く照らしていた。

以下略 AAS



32: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 21:05:59.37 ID:9pdDfgPfo
 
「どうかしたのか?」
「……何でもない」
「ならいいけど。 それにしてもエミリー、なんだか嬉しそうだな」
「?」
以下略 AAS



33: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 21:08:52.21 ID:9pdDfgPfo
 
そして本の詰まった箱はそれ以外にもうひとつ──こちらはエミリーの父親から直接預かったものだ。

「エミリー、こっちのダンボールの中身見てもいいか?」
「……あんまりジロジロ見るものでもないんじゃない? プライベートなアイテムでしょ」
以下略 AAS



34: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 21:10:17.75 ID:9pdDfgPfo
 
「この絵……」

クレヨンか何かで描かれたその絵の中で、二人の女の子が仲良く手を繋いで笑っていた。
一人は今と変わらないブロンドのツインテール。誰かはすぐに分かる。
以下略 AAS



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