88:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:44:35.52 ID:YWfCY9A20
「そう、よかった。もう、倒れるまで黙ってるなんて……誰に似たのかしらね」
「……たぶん、おかあさん」
89:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:45:12.66 ID:YWfCY9A20
「明日はお休みね。学校には私から連絡しておくから」
「うん……」
90:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:46:25.19 ID:YWfCY9A20
◆
その文字だけは見間違えるはずがなかった。
91:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:46:54.73 ID:YWfCY9A20
――あのね、今、さーやが……さーやじゃない方のさーやがね、すごく落ち込んでて……いつも俯いてて、すごく難しい顔してて、「大丈夫?」って聞いても、辛そうな顔で「大丈夫」って言ってて……全然大丈夫じゃないのに、何も話してくれないの。
でも、私も、有咲も、りみりんも、おたえも、どうしたらいいのか分からなくて……さーやみたいに接すればいいのかなって思うけど、でもさーやはさーやで、さーやはさーやじゃないから、それも違うって思って……放っておけないけど、どうすれば元気になってくれるか分からなくって……
92:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:48:00.84 ID:YWfCY9A20
メッセージを最後まで読み終わって、沙綾は小さく息を吐き出した。そして胸中にふたつの思いが浮かぶ。
ああ、やっぱりもうひとりの私は悩んでいたんだ。その悩みも、きっと私が思った通りのものなんだろう……というのがひとつ。
93:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:48:43.36 ID:YWfCY9A20
「…………」
大切な家族やかけがえのない友達の顔が脳裏をめぐる。けれど、その中でも特に強い光を放つ人たちがいた。それは香澄であり、たえであり、りみであり、有咲であった。
94:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:49:33.72 ID:YWfCY9A20
休み時間が待ち遠しいのは久しぶりのことだった。
抑揚の小さい数学教師の声をかき消すようなチャイムの音が聞こえて、授業を終わらせる号令を終えると、スマートフォンを持って沙綾は廊下に飛び出す。
95:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:50:10.46 ID:YWfCY9A20
「ごめんね、忙しかった?」
『う、ううん、平気だよ。今、有咲ちゃんの蔵にみんなといて、ちょっとお話してたから……』
96:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:51:08.81 ID:YWfCY9A20
『そっか……沙綾ちゃん……』
沙綾の話を聞き終えて、カスミは消え入りそうな呟きをポツリと落とす。きっと電話越しの顔には憂愁の影が差していることだろう。
97:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:52:14.47 ID:YWfCY9A20
7
サアヤにひとまずの問題解決の糸口を貰った香澄は、ずっと沙綾のための歌の歌詞を考え続けていた。
98:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:52:47.33 ID:YWfCY9A20
「師匠は考え過ぎなんだ。うちのようにしていれば、ビビっと、そのうち空から降りてくる」
「あんたが受信してるのは変な電波だけでしょ。かすみんにそんな電波はいらないわ。ボケナスはりみだけで十分よ」
189Res/213.78 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20