92:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:48:00.84 ID:YWfCY9A20
メッセージを最後まで読み終わって、沙綾は小さく息を吐き出した。そして胸中にふたつの思いが浮かぶ。
ああ、やっぱりもうひとりの私は悩んでいたんだ。その悩みも、きっと私が思った通りのものなんだろう……というのがひとつ。
やっぱり香澄は優しいな。私のことも、もうひとりの私のことも気にしてくれてる……というのがもうひとつ。
それから香澄のメッセージをじっと見つめて、沙綾は思案に耽る。
香澄の口振り(というより、筆振り?)からして、どうにももうひとりの私はメッセージのことをみんなに伝えていなかったようだ。それはどうしてなのか、と考えれば、その答えはこの前だしたものとぴったり重なる。明暗と寒暖の板挟みになってしまって、ポピパのみんなにメッセージのやり取りを伝えることすら出来なくなったんだろう。
やっぱり同じなんだ、と沙綾は小さく呟く。
入れ替わってしまった沙綾も、自分と同じ山吹沙綾。何でもかんでもひとりで抱える癖があって、自分の素直な気持ちを出せなくって、身動きが出来なくなってしまう面倒な性格をしているんだ。
だとするなら……
(きっと、元気が出るきっかけも、勇気を出すきっかけも、私と同じなんだ)
その結論に至った沙綾は、なおも考える。自分ならどうだろうか。もしもこちらの世界の沙綾から、あちらの世界の沙綾になってしまったら……何を気にして、どうしてもらえば嬉しくて、どうやったら勇気を出せるのか。
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