7:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/16(水) 01:02:11.17 ID:M4jexkrI0
◆
「カバーはお付けしますか?」
8:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/16(水) 01:02:41.84 ID:M4jexkrI0
今日も今日とて何でもないように仕事をこなしていく。日常が思い出の上にどんどん積み重ねられていく。
そうやって味気ない日々に潰されていく思い出たち。その一番下に、今も潰えず残っているものはなんだろう。
9:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/16(水) 01:03:09.53 ID:M4jexkrI0
◆
休日。気付いたら十二月になっていて、気付いたら年の瀬だった。
10:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/16(水) 01:04:00.18 ID:M4jexkrI0
◆
「氷川さんって東京出身なんですよね」
11:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/16(水) 01:04:35.72 ID:M4jexkrI0
◆
二月にしては陽射しが少しだけ柔らかくて、窓から差し込むその光を受けながら、ソファに腰かけて本を読んでいた。
12:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/16(水) 01:05:13.73 ID:M4jexkrI0
◆
東北地方はどんな場所でも冬に雪が積もるんだと勝手に思っていたけど、太平洋側に位置するこの都市ではそこまで激しく雪が降ることはない……というのは、一人暮らしを始めた最初の冬に知った。
13:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/16(水) 01:05:42.90 ID:M4jexkrI0
発車します、というのんびりとした初老の男性運転手の声。ドアが閉まる音。車内の人々のささめき合い。それらに何ともないように混ざっている私。
こうしていると、自分も普通の人間なんだなと思っていつも安心した。
14:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/16(水) 01:06:44.07 ID:M4jexkrI0
かの有名な伊達男の彫像が立つ本丸跡からは、白銀に覆われた街や遠くの山々が一望できた。綺麗だな、と思うより早く、足が竦んだ。
高い場所だ。ここの標高は130メートルくらいだと、一年前に書店で一度だけ目を通した観光案内の本に書いてあった。
15:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/16(水) 01:07:19.28 ID:M4jexkrI0
◆
「あなたは……!」
16:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/16(水) 01:08:05.73 ID:M4jexkrI0
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「久しぶりの再会なのにずっとだんまりだね。どしたの? 声をかけてきたのは千聖ちゃんでしょ?」
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