8:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/16(水) 01:02:41.84 ID:M4jexkrI0
今日も今日とて何でもないように仕事をこなしていく。日常が思い出の上にどんどん積み重ねられていく。
そうやって味気ない日々に潰されていく思い出たち。その一番下に、今も潰えず残っているものはなんだろう。
かつての仲間のことだろうか、それとも何ものにも代えられなかった美しき思い出たちだろうか、はたまた背中を向けて逃げ出したあの日の悲しき思い出だろうか。
「すいません」
「あっ、し、失礼しました」
そんなことを考えて呆けていたら、いつの間にかレジに別のお客さんが来ていた。今の私はバツの悪そうな顔と申し訳なさそうな声を作って、それに対応する。別の私はまだまだ忘れたいことと忘れたくないことを考えている。
そうしているうちに今日の仕事も終わりの時間にさしかかって、何も考えていなさそうな顔の店長の、抑揚の少ない「お疲れさまでした」を聞いて、私は家路を辿る。
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