13:名無しNIPPER
2018/08/11(土) 23:02:26.94 ID:S8sM1lda0
嫌だというのに、私はいろんな人を不幸に巻き込んできた。
そんな私は、拒絶されて当然なのだ。
14:名無しNIPPER
2018/08/11(土) 23:03:18.44 ID:S8sM1lda0
プロデューサーさんは目を細めていたが、やがて、それはなにかを覚悟した表情に変わる。
15:名無しNIPPER
2018/08/11(土) 23:05:00.57 ID:S8sM1lda0
約束してた時間よりちょっと過ぎてから、プロデューサーさんが戻ってきた。なんだかとても疲れているようだった。
うんざりしてるようにも見えた。なにか気になるのか、しきりに片手を振っていた。見ると手のひらが少し赤くなっていた。
16:名無しNIPPER
2018/08/11(土) 23:06:31.32 ID:S8sM1lda0
首元のネクタイは緩んでいる。きっとクリーニングに出したばかりだったのだろう、綺麗なスーツだったけど、着崩れているのに気付いていないようだった。
歳は若そうにも、とっても歳を取ってるようにも見えた。身をすくめていた私に、彼が視線を向けてきた。その眼は虚ろだった。
17:名無しNIPPER
2018/08/11(土) 23:07:51.57 ID:S8sM1lda0
「待たせて悪かった」
18:名無しNIPPER
2018/08/11(土) 23:08:58.27 ID:S8sM1lda0
「今日は顔合わせだけだ。業界のことは今更どうこういうこともないんだろ。経歴をみたけど、他から引き抜かれたって」
19:名無しNIPPER
2018/08/11(土) 23:09:59.96 ID:S8sM1lda0
そんなことを考えているうちに、案内は終わっていた。
20:名無しNIPPER
2018/08/11(土) 23:11:13.81 ID:S8sM1lda0
「噂だけなら、耳にしたことがあります」
21:名無しNIPPER
2018/08/11(土) 23:22:40.09 ID:S8sM1lda0
そうして、私の何度目かのアイドル生活は始まった。
次に事務所に来たとき、プロデューサーはお酒の匂いもしなくて、ちゃんとスーツを着込んでいた。
22:名無しNIPPER
2018/08/11(土) 23:24:03.33 ID:S8sM1lda0
挨拶をしながら見回してみたけど、やはりプロデューサーさんの姿はなかった。
23:名無しNIPPER
2018/08/11(土) 23:25:06.80 ID:S8sM1lda0
背後で、スタッフの一人が大きな声でお疲れ様と叫んだ。
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