14:名無しNIPPER
2018/08/11(土) 23:03:18.44 ID:S8sM1lda0
プロデューサーさんは目を細めていたが、やがて、それはなにかを覚悟した表情に変わる。
「なにしてもいい?」
「あんまりやりすぎなければ」
「それは無理な相談かな。10分頂戴」
「ええ。ほたるちゃんもいいですか」
「……でも」
「いいじゃなくて、待ってもらうから」
ニッと微笑んだプロデューサーさんは、私の返事を待たずに身を翻した。
私に気を利かせてくれたのか、ちひろさんが自販機で飲み物を買ってきてくれた。
私は受け取ったけど、封も開けず、ただ蓋を人差し指でなぞっていた。
頭には嫌なイメージすら浮かばず、深い霧のような憂鬱だけがずっと居座っていた。
「ほたるちゃん」
私が顔を上げると、ちひろさんがにっこりと笑っていた。
「心配ですか?」
「だって……私が皆さんにご迷惑をかけてるから」
「ほたるちゃんは、誰にも迷惑なんてかけてないですよ」
「ですけど……」
私の言葉をさえぎる様に、ちひろさんは口を開いた。
「プロデューサーさんを、信じてあげてください」
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